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ラテン語格言
Res loquitur ipsa.
キケロー 語彙と文法 「レース・ロクゥィトゥル・イプサ」と読みます。rēsは「事実」を意味する第5変化名詞rēs,reī f.の単数・主格で、この文の主語です。loquiturは「語る」を意味する形式受動態動詞loquor,-quī の直説法・現在、3人称単数です。ipsa は... -
ラテン語格言
Ne sis miser ante tempus.
語彙と文法 「ネー・シース・ミセル・アンテ・テンプス」と読みます。nē は接続法を伴い、「~するな」という禁止の意味を表します。sīs はsum の接続法・現在、2人称単数です。miser は「惨めな、あわれな」を意味する第1・第3変化形容詞miser,-era,-erum... -
ラテン語入門のエッセイ
Aquila nōn capit muscās. 鷲は蠅を捕まえない
Aquila nōn capit muscās. アクゥィラ・ノーン・カピト・ムスカース 鷲は蠅を捕まえない 元はギリシア語のことわざでしたが、いつしかラテン語に訳され広まりました。それだけ共感する人が多かったのでしょう。一言で言えば、大物は小物に頓着しない、と... -
西洋古典
愛されたいなら、愛しなさい:セネカ
Sī vīs amārī, amā. 愛されたいなら、愛しなさい セネカの言葉です(「倫理書簡集」9.6。文法の説明はこちら)。Sī (もしも)をとった形、Vīs amārī? Amā. でも知られます。この場合、「愛されたいか。では愛せ」となります。 amārī は不定法で「愛される... -
ラテン語入門のQ&A
ラテン語の二重母音は?
Q. ラテン語の二重母音は? A. ラテン語の二重母音(diphthong)はae, au, ei, eu, oe, uiの六つがあります。 au 「アウ」 aurum(アウルム) 黄金 ae 「アエ」 aeternus(アエテルヌス) 永遠の ui 「ウイ」 hui(フイ) ああ!(間投詞) ei 「エイ」 ... -
訳と解説
無為の時を求めて:ウェルギリウス『アエネーイス』
第4巻におけるディードーのセリフです。 quo ruit? extremum hoc miserae det munus amanti: 429 exspectet facilemque fugam uentosque ferentis. 430 彼はどこに向かって走るのか。これを最後の贈り物として哀れな恋人に授けてくれ。 追い風を受けてたや... -
ラテン語格言
Radix malorum est cupiditas.
語彙と文法 「ラーディクス・マロールム・エスト・クピディタース」と読みます。rādixは「根、根本」を意味する第3変化名詞 rādix,-icis f. の単数・主格です。この文の補語になります。malōrumは「悪」を意味する第2変化名詞malum,-ī n. の複数・属格で、... -
ラテン語入門のQ&A
cūjusの発音は?
母音の間にはさまれたjは[i+j]になります。 ラテン語では慣例上、母音にはさまれたjの前の母音に長母音をつけますが、発音は[短母音+i+j+母音]になります。mājor(より大きい)は「マイヨル」(mai+jor)です。 同様に、cūjus(関係代名詞quīの属格)は... -
ラテン語入門のエッセイ
ラテン語を学ぶ意義
先日のラテン語の夕べではあえて「翻訳することの大事さ」を述べました。語学の習得という目的に絞って言えば、カエサルやキケローを暗唱するなどして音の響きも何もかも自分のものにできたらよいのでしょう。 一方、私たちが普通にラテン語を学ぶ場合、一...