ardua mōlimur, sed nulla, nisi ardua, virtūs. 

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「アルドゥア・モーリムル・セド・ヌッラ・ニシ・アルドゥア・ウィルトゥース」と読みます。
arduaはarduum,-ī n.(困難)の複数・対格です。
mōlimurは形式受動態動詞mōlior,-īrī(企てる、励む)の直説法・現在、1人称複数。元の文脈に照らすと、1人称単数の代用と判断されます。
sedは「しかし」を意味します。
nullaは代名詞的形容詞nullus,-a,-um(ない)の女性・単数・主格で、virtūsにかかります。
nisiは「もし~でなければ」を意味します。
arduaは文頭のarduaと同じく、複数・対格です。
virtūsはvirtūs,-ūtis f.(勇気、武勇の徳、美徳)の単数・主格です。動詞estが省かれています。
「私たち(私)は困難なことを(ardua)企てている(mōlimur)。しかし(sed)それが困難なこと(ardua)でなければ(nisi)いかなる(nulla)武勇の徳(virtūs)もない(<est>)」と訳せます。
オウィディウスの『恋の技術』に見られる表現です(2.537)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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