1文字につき1発音が原則です。古典期のラテン語のアルファベットは次に示すとおり23文字しかなく、英語にくらべるとJ, U, Wの3つがありませんでした。
Iは母音i, īの音と半母音jの音を表しますが、後者の発音を表すため、中世に入りJの文字が導入されました。同様にVは母音u, ūの音と半母音wの音を表しましたが、母音を表すためにUの文字が取り入れられました(Vが半母音の発音を担う)。ja, ju, jo は「ヤ・ユ・ヨ」、va, vi, vu, ve, vo は「ウァ・ウィ・ウ・ウェ・ウォ」と読みます。
ラテン語の文字
大文字 | 小文字 | 名称 | 音価 |
A | a | ā アー | a, ā |
B | b | bē ベー | b |
C | c | kē ケー | k |
D | d | dē デー | d |
E | e | ē エー | e, ē |
F | f | ef エフ | f |
G | g | gē ゲー | g |
H | h | hā ハー | h |
I(J) | i(j) | ī イー | i, ī, j |
K | k | k kā カー | k |
L | l | el エル | l |
M | m | em エム | m |
N | n | en エヌ | n |
O | o | ō オー | o, ō |
P | p | pē ペー | p |
Q | q | kū クー | kw |
R | r | er エル | r |
S | s | es エス | s |
T | t | tē テー | t |
V(U) | v(u) | ū ウー | u, ū, w |
X | x | iks イクス | ks |
Y | y | ȳ ユー | y, ȳ |
Z | z | zēta ゼータ | z |
ラテン語の発音
ラテン語の発音は日本人にとって容易です。肩に力を入れて身構える必要はありません。ただし知っておくべき約束事がいくつかあります。細かなルールも含めて解説します。
ローマ字読みをする。
原則1: ラテン語の発音のルールは「ローマ字読みする」ということです。
amor(愛)は「アモル」と発音します。(太字の部分にアクセントがあります。)rosa(バラ)は「ロサ」と発音します。ラテン語でs の文字は常に「サ行」の子音 s の音です。つまり「ロザ」とにごりません。例:sanctus (神聖な)は「サンクトゥス」と発音します。
Caesar(カエサル)、Seneca( セネカ)と発音します。Caesar の発音もシーザーとはせず、カエサルと読みます。カエサルは『ガリア戦記』の作者です。シーザーは英語読みです。つまりラテン語の場合 c の文字は 「カ行」の子音[k] と発音します。Cicerōは「キケロー」です。
また g の文字は必ず [g] となります。たとえば「私は」を意味する ego は「エゴ」となります。また、「私は考える」という意味の動詞 cōgitō は「 コーギトー」です。従って、デカルトの言葉、Cōgitō ergō sum.は「コーギトー・エルゴー・スム」と発音します。
その他の例:
deus (デウス)神、dea(デア)女神、familia (ファミリア)家族、nemus (ネムス)森、soror(ソロル)姉妹、magnus(マグヌス)大きな、grātia(グラーティア)感謝、lacrima(ラクリマ)涙、longus(ロングス)長い、tuba(トゥバ)ラッパ、affectus(アッフェクトゥス)感情、magister(マギステル)先生、memoria(メモリア)記憶、imber(インベル)雨。laetitia (ラエティティア)喜び。
長母音と短母音の区別
原則2: ラテン語には日本語と同様に長母音と短母音の区別があります。
Cicerōの語末の ō は長母音ですから、キケロでなく、キケローと発音します。Cicerō はローマの政治家の名前です。正式な発音はシセロでもチチェローネでもありません。
ラテン語の辞書には、短母音と長母音の区別が表記してあります。母音の長短を知りたい場合、辞書を引くのが一番です。例えば、pater はパテル(父)、māter はマーテル(母)となりますが、辞書で確かめないと、パーテル?、マテル?と迷います。
FAQ
Q. 長母音と短母音の区別はなぜ必要ですか?
母音の長短の把握を間違うと意味が異なる場合があります。例えば、liber(リベル) (本)とlīber(リーベル) (自由な)はつづりは同じですが、意味が異なります。malus(マルス)(悪い)とmālus(マールス)(リンゴの木)も同様です。2つめの理由は、単語のアクセントの位置を正しく見極めるために母音の長短の区別が必要になるからです。このことについては「ラテン語のアクセント」で詳しく説明します。
長母音と短母音の違いに注意してそれぞれの単語の発音を試みて下さい。
pānis(パーニス)パン、fēmina (フェーミナ)女性、rēs(レース)もの、こと、vīta(ウィータ)人生、cāritās(カーリタース)愛、tū(トゥー)あなたは、lūdus(ルードゥス)遊び、imperātor(インペラートル)最高指揮官、nāsus (ナースス)鼻、nōn (ノーン)~でない、fātum(ファートゥム)運命。
母音の種類
a, i, u, e, o の五つが基本母音です。ただしラテン語ではy(ユ) も母音に数えます。Phȳthia(ピューティア)(アポロの巫女)、zephyrus(ゼピュルス) (西風)、symbolus(シュンボルス) (印)、typus(テュプス)(典型)などの語に使われています。
これらの単母音a, i, u, e, o, yはそれぞれ長母音と短母音を表すことができます。例えば、a は「ア」と「アー」、e は「エ」と「エー」の長短両方の読み方ができます。文法書や辞書では長短の区別をつけるため、長母音の場合にはā, ī, ū, ē, ō, ȳのように長母音の記号(マクロン)をつけるならわしです。
二重母音
ラテン語の二重母音はae, au, ei, eu, oe, uiの6つがあります。
au 「アウ」 aurum(アウルム) 黄金
ae 「アエ」 aeternus(アエテルヌス) 永遠の
ui 「ウイ」 hui(フイ) ああ!(間投詞)
ei 「エイ」 deinde(デインデ) 続いて、それから
eu 「エウ」 eurus(エウルス) 東風、南東風
oe 「オエ」 poena(ポエナ) 罰
二重母音は1つの長母音とみなせますが、アクセントのルールを学ぶ際にこのことは大事な意味を持ちます。なお aeはローマ字読みの原則にのっとり「アエ」、oeは「オエ」と表記しますが、実際の発音はそれぞれ「アイ」、「オイ」であったという推測も行われています。
j と v の発音について
原則3:j は子音(半母音) [j] を、v は子音(半母音) [w] を表します。
ギリシア神話のゼウスに対応するローマの神はJupiter(ジュピター)ですが、これは英語読みです。つづりの Jupiter のうち Ju はジュではなくユと読むことになりますので、「ユピテル」がラテン語の発音です(同じ意味を表わす Juppiterの綴りの場合はユッピテル)。なお、ユピテルの妻の名はJūnōといいます。発音は「ユーノー」となります(ū、ōともに長母音)。
ビーナス(美の女神)のつづり Venus についても、Ve の部分はベでなく、ウェと読みます。従って発音はウェヌスとなります。ちなみに、ラテン語で毒を意味するvīrusの発音はどうなるでしょう。これもラテン語式に読めばビールスでなく、ウィールスとなります。(īは長母音です)
古典期のラテン語は大文字だけで書かれていました。中世に入り小文字が用いられるようになり、母音[u]を表わすuと子音(半母音)[w]を表わすvの区別が行われるようになりました(あわせて大文字VとUの区別も)。
その他の例
jūs (ユース)法律。jubeō (ユベオー)命令する。juvō (ユウォー)助ける。juvenis (ユウェニス)若者、若い。
dīvitiae (ディーウィティアエ)富。virtūs (ウィルトゥース)勇気、美徳。videō (ウィデオー)見る。verbum (ウェルブム)言葉。varietās (ウァリエタース)多様性。vēritās (ウェーリタース)真理。vīnum (ウィーヌム)酒。
ラテン語の発音になれる
ちょっとうでだめし
人物名からいくつかの例をご紹介しましょう。それぞれどう発音するのでしょう?
(1) Ennius (2) Plautus (3) Terentius (4) Lucrētius (5) Catullus (6) Vergilius (7) Horātius (8) Ovidius (9) Propertius (10) Līvius
順に、エンニウス、プラウトゥス、テレンティウス、ルクレーティウス、カトゥッルス、ウェルギリウス、ホラーティウス、オウィディウス、プロペルティウス、リーウィウスです。
いずれもローマ時代の詩人や歴史家の名前です。綴りを見てラテン語の発音が正確にできるようになるとうれしいですね。
ちなみに、英語におけるウェルギリウスのスペルは、Vergil と Virgil の2通りあります。
Horātius(ホラーティウス)の英語式スペルは Horace で、Ovidius(オウィディウス)はOvid です。かなり変わってしまっていますね。欧米人にとって、古典作家の名前は、自国語に自然な形でとけ込んでいるのでしょう。
子音の発音の注意点
b は基本的に「バ行」の子音[b] ですが、-bs と -bt となった場合 [ps]と[pt] と発音します。urbs(都市)は「ウルプス」、obtineō(保つ)は「オプティネオー」と読みます。
Urbs antīqua fuit. (Verg.Aen.1.12)は、「ウルプス・アンティークゥァ・フイト」と読みます。
q は常にqu の形で使われ、[kw] を表します。「どこに」を意味する quō は「クゥォー」と読みます。
母音の前のnguとsuにも注意が必要です。それぞれ、[ngw]、[sw]を表します。lingua(舌、言語)は「リングウァ」、suadeō(忠告する)は「スウァデオー」と読みます。
半母音のjは母音に挟まれると[i+j]と読みます。mājor(より大きい)は「マイヨル」です。
ラテン語の発音Q&A
ラテン語の発音の確認テスト
「ラテン語検定試験」の問題に挑戦しましょう。
コメント
コメント一覧 (66件)
兼ねてからラテン語を学びたいと思っており、まず発音か一通り学べました。感謝致します。学びたい理由はクラシック音楽と聖書をひもとく一つの教養にしたいからです。子どもにも学ばせたいと思います。
コメントを頂きありがとうございます。ラテン語のことでお尋ねになりたいことがありましたら、フォームメールをご利用下さい。
ラテン語の発音がわからず、検索して、こちらにたどり着きました。とても参考になりました。
ところで、リスクの語源が ラテン語のrisicareと言われています。
この発音は、リシカーレでいいでしょうか。
よろしくお願いします。
発音はそうなると思います。ただ、私はラテン語でそのような単語は存じ上げません。調べた限りでも見つかりません。etymology of risicare(イタリア語)で検索しても unknown となるようです。
早速のご回答 ありがとうございます。
特殊な単語なのですね。ということで、再度検索してみましたところ、
http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/eml/Ronso/342/arima.pdf#search='risicare+%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9‘
がありました。
それによると 語源としている話は「ランダムハウス英和大辞典」(小学館、p2333、1994)が出所で、risiは、cliff(崖)というギリシャ語から派生し、risicareは、「岩山間を航行する」意味だそうです。
2/24のセミナーでは、リシカーレと発音するつもりです。
ありがとうございました。
【尊敬の語源】respicio読み方を教えてください❤︎
琴線にふれる言葉に出会ったので朗読を録音しているのですが、読み方に自信がありません。
〜〜〜
尊敬(respect)の語源となるラテン語の「respicio」には、「見る」という意味があります。
〜〜〜
このラテン語「リスピチオ」でいいのでしょうか。
ググっても探せなくて
こちらのサイトにたどり着きましたので、質問させていただきました。
宜しくお願い致します(o^^o)
辞書(研究社の羅和辞典)で見出しを引きますとrespiciōとなっています。意味は、
1 振り返る, 見まわす 〈alqd; ad alqd〉.
2 期待する, あてにする.
3 回顧する.
4 面する, 臨む.
5 配慮する, 気づかう, 案じる.
6 関係がある, 関心事である.
古典式で発音すると「レスピキオー」となります。re(再び)speciō(見る)というところから、「振り返る」が元の意味になります。
この名詞形は、respectus(レスペクトゥス)です。
1 振り返る[見まわす]こと.
2 逃げ場, 頼みとするもの.
3 顧慮, 配慮, 尊重.
このうち3番の意味が英語の「尊敬」respectにつながるように思われます。
今日本に滞在する外国人です。
先生に一つお聞きたいことがあります。
私も中学校時代からラテン語を勉強してきましたが、日本のラテン語学習者たちとラテン語についていろいろ話したとき、ふっと思った疑問があります。
日本ではなぜ古典ラテン語の二重母音「AE」と「OE」が、「アイ」と「オイ」ではなく「アエ」と「オエ」になるのでしょうか。
欧米では、普通 ラテン語の⟨AE, OE⟩についてこのように説明されています。
In Old Latin, ⟨AE, OE⟩ were pronounced as [ai̯, oi̯], with a fully closed second element, similar to the final syllable in French ‘travail’.
例えば、このヴィデオを見て、その発音を聞いてください。
https://youtu.be/LwtgvwJljto
日本ではなぜラテン語の「AE」と「OE」を、古典ラテン語の発音でもなく、Ecclesiastical Latinの発音でもない方法で発音するのでしょうか。
大事な問題提起をありがとうござます。たしかに日本の翻訳における表記を見ると、Aeneisは『アエネーイス』、Caesarは「カエサル」と表されます。
私が習った『新ラテン文法』(1968)ではae, oeについて、「これをアイ、オイと表記する人もある(Caesar カイサル)。しかし本書ではアエ、オイの表音で一貫する」と記されています(p.8)。
研究者として「アイ、オイ」は知っていても、学習者にそれを伝えることになぜためらいを感じたのでしょうか。ae, oeがめったにおめにかからない形であれば話は別だったと思います。oeはともかく、aeについては第1変化名詞の格変化を学ぶさい、なんども登場する形です。rosa,rosae,…等。
教える側にとっては、そのたび発音の「例外的事情」(=日本人にとってなじみのあるローマ字読みから見たら例外的な発音の仕方にあたる)にふれるより、学習者には発音しやすいしかたで(=日本人にとってなじみのある発音の仕方で)繰り返し音読し、rosaならrosaの変化をしっかりと暗記してもらいたいという思いが優先的に働いたのではないかと思われます。
他人事のように書きましたが、私自身そのように考えておりました。
今後教えていただいた youtubeなどの媒体を通じて学ぶ学習者が日本でも増えるにつれ、そのあたりの誤差は是正されるかもしれませんが、ひとたび定着したCaesar=カエサルという表記はなかなか覆されない可能性が大きいように感じます。
ご説明ありがとうございます。
日本では日本人にとってなじみのある発音の仕方で読むということですね。理解しました。
私はラテン語の専門研究者ではないので、前話した日本のラテン語学習者の誤った発音について指摘する自信がなかったです。
当時「AE」と「OE」の実際の発音がもしかして「アエ」「オエ」であるのか、と思って、個人的に調べてみましたが、
(その途中、このサイトも見つけて質問をしました。)
Richard A. LaFleurの『Wheelock’s Latin』p.xxxvii
James Morwoodの『Latin Grammar』 p.3
Clifford A. Hullの『Latin For Dummies』 pp.16-17
など、どんなラテン語の教科書を見ても「AE」と「OE」はやはり[ai]、[ɔi]と発音すると書いてありました。(Ecclesiastical Latinの発音ではそれぞれ「e:」。ここでも「ae」「oe」ではない。)
他のyoutubeの講座はその説明に関して同じでした。
https://youtu.be/Wh-QorH3Fi4
4:00から「ae」の発音について説明します。
また、以下のサイトもすべて、「AE」と「OE」について同じ内容で説明していますね。
http://la.raycui.com/dip.html
http://www.wheelockslatin.com/chapters/introduction/introduction_diphthongs.html
http://www.preces-latinae.org/thesaurus/Introductio/Pronunciatio.html
http://www.wikihow.com/Pronounce-Latin
http://www.thebookmarkshop.com/latin/latinpronunciation.htm
いろいろ文章が長くなりましたが、
先生のお陰様で、日本のラテン語の発音に対する疑問が解けました。Gratias tibi ago
ラテン語の全くの素人なのですが、veritasを日本語で表記した場合、あるいは表現(発音)した場合はラテン語としての場合は「ウェーリタース」となるものでしょうか。日経ヴェリタスという雑誌がありますが、ヴェリタスと表記したらラテン語を語源とした英語読みということですか。世間一般ではウェーリタースよりヴェリタスと聞く場合が多いように思いますが。とりとめもない書き方ですみません。
今手に入る文法書の説明から判断すると、2000年前のローマでは「ウェーリタース」と発音されたらしいです。つまりお書きになった発音でよいわけです。ちなみに、アクセントは「ウェー」の位置にあります。辞書を引くと見出しは vēritāsとなっていますので、「ウェリタス」でなく「ウェーリタース」となることがわかります。
別の例をあげると、「毒」を意味するvīrusは「ウィールス」と読みますが、日本では母音の長短を無視するとこのラテン語風発音が主流です(ウィルスという言葉は日常よく使われます)。英語ですと「ヴァイラス」でしょうか。
一方、videoは日本ではビデオと表記しますが、ラテン語として見た場合、videō は「見る」という意味を持ち、発音は「ウィデオー」です。
また、Venusは愛の女神ですが、日本だとビーナスと表記することが多いです。ラテン語として読むと「ウェヌス」になります。
早速のお返事に感謝いたします。
前回記述いたしましたように「全くの素人」ですので、失礼なくどい質問になってしまうかもしれないのですが、再度教えていただきたいと思います。日経ヴェリタスのように「真理」を意味するveritasを日本語としてカタカナ表記するときに「ヴェリタス」では本来はふさわしくないのでしょうか。それはそれで大丈夫なのでしょうか。
私は全然問題ないと思います。そういえば、私が以前勤めていた京都工芸繊維大学の生協は2階建てでして、1階がアルス、2階がヴェリタスという名前でした(あるいはベリタスだったかもしれませんし、2階がアルスだったかもしれません)。私が聞いた話では、ノーベル賞を取った福井健一先生が命名者で、アルスとはすなわち芸術であり技術の意味で、テクノロジーの大学にふさわしい名前であり(ついでながらデザインと建築、つまり芸術的領域に関わる専攻もありその意味でもよいネーミング)、それがヴェリタス(真理)と密接にかかわっていることをくしくも店の名前で表したということになりますので、さすがだと思った次第です。ヴェリタスでなくウェーリタースが正しいというのは2000年前のローマの語学の先生が指摘される間違いであり(もちろん今でもラテン語会話をされる人たちがおられるので、その人たちはウェーリタースと発音されるでしょう)、私は自分の授業に仏文科の学生が参加し、honorをオノルと発音しても特に直したりはしません。
メールでご質問を頂戴しました。
Q. ラテン語に初めて接し、わからないことが多く、このサイトにお邪魔いたしました。digitus と digitalisの2つの単語の発音の仕方を教えて頂けないでしょうか?サイトでのご説明を拝見しますとdigitus はディギトゥスとなりますでしょうか? digitalisは ディギタリスでしょうか? 日本語読みだとジギタリスという植物の名前なので 迷っています。どうぞご教授お願いいたします。
A. digitusとdigitālisの発音はお書きになった通りです。digitālisはdigitusの形容詞の形です。綴りをよくみますとtāとなっている、つまりāの部分に長母音のしるしがついていますので、古典的発音に近いのは、「ディギターリス」ということになります。
ちなみにアクセントは「<ディ>ギトゥス」と「ディギ<ター>リス」(<>内にアクセント)となります。di-を「ディ」と表記するのはdictionaryを「ディクショナリー」とするのと同じで抵抗はないと思われますが、di-を慣例的に「ジ」としていまうと本来の発音表記を書くうえで抵抗を覚えるかもしれません。(たしかにいまさらジギタリスをディギターリスとは呼べないです)。
お気づきと思いますが、英語の digital(デジタル)はラテン語のdigitālisがもとになった言葉です。digitalの第一番目の意味は「指の」となっていますので、ラテン語の元の意味を今も残しています。digitalも「デジタル」と表記するのが一般ですが、英語の音に近いのは「ディジタル」です。なおラテン語ではgiを「ジ」でなく「ギ」と発音します。古代ローマの読み方、すなわち「ローマ字読み」だからそうなります。
読者からの質問と私のお返事を掲載します。
Q. 「t」が語尾にきた場合には、例えば、「et]や[luceat]の「t」など、いわゆる無声音の「トう」、ドイツ語の「t」の発音のようでいいのでしょうか?
A. 私のHPでは便宜的に「と」としていますが、厳密にはお書き下さった通り[t] の音になります。
関係ないかも知れませんが
メッセージの最後に
エ d n
と書かれてました。
IMEパットのラ基本ラテンの画面も
同時に開かれたので
何か関係あるのかと思いまして。。
このメッセージの意味を探してます。
>エ d n
私もよくわかりません。入力ミスか何かでしょうか。
Sの発音ですが、母音に挟まれたときには、濁るでいいですか
例えば、 resurget レズールジェット
promisisti プロミジスティのように。
教えてください。
イタリア語と違って濁りません。rosaは「ロサ」です。resurgetは「レスルゲト」、prōmīsistīは「プローミーシスティー」です。
とても見やすいサイトですね。
大昔、英文科でラテン語の授業を受けましたが、こんなふうに習えば楽しかったのにと思います。当時はひたすら難しいと思っただけでした。
教えて頂きたいのですが、genuitは「ゲニュイト」と読むのでしょうか。flamma、stella、terraなどは「フラッマ」「ステッラ」「テッラ」と撥ねるのでしょうか。ご教示よろしくお願いします。
はじめまして。コメントをいただきありがとうございます。genuitは「<ゲ>ヌイト」でよいと思います。アクセントは<ゲ>にあります。また最後の「ト」はtです。flammaをはじめお書き下さった発音でよいと思います。
どうもありがとうございました。
「テラ」や「ステラ」は日本でもおなじみの言葉ですが、日本の表記だと撥ねないので気になっていました。
上のほうのレスを読ませていただいていたら「新ラテン文法」の名前があり、大学時代に使っていた教科書を見直してみると同じ本でした。思わず8ページを見て、なんだかうれしかったです。
はじめまして。私はクラシック音楽からラテン語への興味が出てきまして、検索から参りました。
非常に整理されていて読みやすいサイトですね。これから詳細を読ませていただく所存です。
ところで1つ素朴な疑問なのですが、例えばミサ曲などのラテン語の典礼文(固定の文)を読む・歌う場合には、様々な方言があるようです。指導者や指揮者によって全く言うことが違うような感じです。
たとえば、aeternumを「エテルヌム」と発音したりするのもそうかと思いますし、coeliを「チェリ」と発音したり「ツェリ」と発音したりと揺れがあるようです。
また短母音、長母音は非常に曖昧な感じで教わることもあります。
これは歴史的に後に出てきたものであり、そもそも最初はこのサイトで記されているような発音だったのでしょうか?
ここで紹介しているのは2000年前のローマの発音の仕方と考えていただいて結構です。
aeの発音が気になって読んでみたのですが、分かりやすく解説でした。
質問なのですが、
sed, adのように語末にdがきた場合、その発音はセド、アドのようになりますか、それとも、セト、アトのようになりますか。
sed はカタカナ表記するとセドですが、dは「ド(do)」でなく「ドゥ(d)」になります。「トゥ(t)」ではなく。
古典ラテン語の二重母音「AE」と「OE」はアイ、オイな訳ありません。
もしかしたら某大学の先生が出した本に引きずられているのかもしれませんが、
先生も混乱されているのでしょうか?
端的に言うなら、「Old Latinで-ai -oiだった綴りが古典期には-ae -oeになった。つまり発音は-ai -oiだ」というのはありえないということです。
信憑性のあまりないサイトですが、https://en.wiktionary.org/wiki/-ae#Latinあるいはhttp://www.akenotsuki.com/latina/litterae.htmlでも発音は当然-aeになっています。
もう少し詳しくしても宜しいでしょうか?つまりIPAとかのことです。
コメントをありがとうございます。二重母音の発音や母音の長短表示の問題について、わからないこと(あいまいなこと)はわからないこと(あいまいなこと)として説明する、あるいは説明しない、という線引きが必要だと思いました。
お返事有難うございます。
こんな偉そうなコメントにも返事していただき有難うございます。
ae, oe の発音について
ラテン語は素人の一学習者です。
この二重母音の発音がここで問題になっていたことはつい最近知りました。
多くの方々もそうではないかと思いますが,私自身も,「復元された」restituted「古典期の」発音ということをとくに意識することもなく,最初に学んだのは [アエ] [オエ] という発音でした。ですから,caelum, poena を声に出して読むときは [カエルム] [ポエナ] と言ってきました。「教会の」ecclesiastical 発音では ae も oe も [エ]
になるということを知ったのはそれほど昔のことではありません。「教会の」発音では,子音もイタリア語っぽくなって caelum は [チェルム]
となるわけですね。
さて,一昨年5月の「フィードバック」— 「外国の人」の質問とそれに対する山本先生の回答 — につい先日接して意外だったのは,古典期のラテン語では実は [アイ] [オイ] と発音していたらしい,ということでした。一旦は「そうだったのかあ」と半ば納得はしたものの,「本当かなあ」という気持ちも残りました。そこで,手元にある限られたもので確かめてみたわけです。これはその報告です。
まず,「外国の人」が引いておられた文
In Old Latin, ⟨AE, OE⟩ were pronounced as [ai̯, oi̯], with a fully closed second element, similar to the final syllable in French ‘travail’.
この “Old Latin” というのは “Classical Latin” よりも古い紀元前3-2世紀頃の「黎明期」の(?)ラテン語ではないでしょうか。だとするなら,ae, oe を [アイ] [オイ] と発音していたのは古典期の」ラテン語ではなくそれよりも古いラテン語だったということになります。ちなみに,M. Nidermann の Pre´cis de phone´tique historique du latin の増補改訂版 (1931), p.82, §30 には「ai は紀元前2世紀初頭には ae になった」(ai est devenu ae de`s le de´but du IIe sie`cle av. J. -C.) とあり,aides —> aedes, quairo —> quaero, etc. のような例をあげています。また,同書 p.84, §31 には,poena, Poenus, foedus -eris, foedus -a -um, foetere などの語では「かつての oi が oe に引き継がれている」(un ancien oi est continue´ par oe) という記述もあります。
手元にある学習参考書や自習教材も,「復元された」(restitue´e) 古典期の発音では ae = [アエ], oe = [オエ] だと言っています:A. Cart, J. Lamaison et R. Noiville, Grammaire latine, Fernand Nathan, 1980 (1955), p.7 ; Assimil の “Sans Peine” シリーズのラテン語 (2015年に出た改訂版), p. XII, 同旧版のイタリア語版 = Il latino senza sforzo, 2013, p. XII.
昔初めて習った時には、magnusのaやlexのeなど、多数の単語の母音を長音として記憶しました。ところがいつの頃からか、それが短母音とされるようになりました。しかし長年親しんだ発音は簡単には変えられず、覚えなおしてもすぐに忘れてしまい、最近はすっかり混乱して、発音に自信がなくなりました。母音の長短は韻律から分かるのだと思いますが、上記の二例では、aやeが長母音でも短母音でも、位置によって韻律上は「長」とされるため、長く発音されたのかどうかはわからないはずです。それがどうして、短母音だと分かったのでしょうか。その判断は本当に正しいのでしょうか。
ちなみに、PONS Woerterbuch Schule und Studium, Latein-Deutsch (新訂版2016 Pons社)という辞書を先日のぞいたら、昔と同じ長短表記がされていて、驚きました。オンライン辞書も付属した新しい辞書なのに一体なぜ? 国によっても違うのでしょうか。
短母音とわかったというより、曖昧なのであえてマクロンをつけない方針ということだと思います。
ラテン語は勉強したことがないのですが、興味があってラテン語について色々調べているうちに、こちらのサイトにたどり着き、とても丁寧でわかりやすく説明していただいいていたため、もしかしたら自分が求めていることがわかるのではないかと思い、ご相談をさせていただきました。
WEBで「植物」のラテン語を調べていたら、「Herba」という記載を見つけました。他にも「Plant」や「Ols」などの記載もあったのですが、どれでも同じ意味ということでしょうか。また、「Herba」ですが、「エルバ」と表現されているものと「ヘルバ」と表現されているものがあり、どちらが正しいのかわからず、もしご教示いただけましたら大変嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
herbaは古典ラテン語式(イコールローマ字式)に発音すると「ヘルバ」となります。研究社の「羅和辞典(改訂版)」によると、茎、葉、植物、草、草原、雑草といった意味を表すと記されています。
先生☆
ありがとうございマッス(╹◡╹)
ただ今 グノーのアベマリアを
アイリィシュハープで弾き語るぞ♬♬ とチャレンジしています^_^
ラテン語もハープも初体験で ヨロヨロになりそうなところを
先生にガツンと助けて頂きました(o^^o)
ありがとうございます〜٩(^‿^)۶
大学に入り、ラテン語を勉強したくネットで探していたところ、こちらのサイトに出会いました。
ラテン語を勉強する理由は哺乳類の学名を意味で覚え、発音できるようになるためです。
大学の講義では文法を中心に、読解などにも挑戦するそうですが、ラテン語由来の学名を覚えたい場合はそちらにも挑戦したほうがやはり効果的なのでしょうか?そして、読解になれるためには英語と比較してどう勉強していけば良いのでしょうか?
どちらにせよ、ラテン語の単位も取ってみようと思っています。
ご教授よろしくお願いいたします。
学名のことは詳しく存じませんが、例えば「形容詞+名詞」の組み合わせで学名がついているとしますと、普通に考えると、それぞれの単語を辞書で引けば意味が取れると思いがちです。
あるいは、名詞Aの名詞B、という組み合わせでついた名前の場合、Bはさておき、Aの単語はみたままの綴りでは辞書で単語が見つからないと思います。
その理由を知るには基本の勉強が必要になります。
といって、本格的な勉強を何時間もしなければならないかと言えば、そんなことはなく、英語で例えますと、中1でならう範囲程度の学習で辞書は引けます。(異論はあるかもしれませんが、おおむね当たっていると思います)。
文の意味を知りたいとなると、それ以上の学習が必要ですが、学名の意味を辞書で確認したい、というニーズに対しては、初歩の初歩で大丈夫です。
ぜひ授業で基本を学ばれることをお勧めします。
学名の由来を調査しているものです。
最近は中国人名への献名で名付けられる学名などラテン語ではあまり出てこないアルファベット並びも多く、古典ラテン語ではどういう読みになるか教えて頂きたいと思いコメント致しました。
Chuaの古典ラテン語での読みですが(クア?キウア?チュア?)
Chuaはクアでよいと思います。
初めまして。
ラテン語の読み方がわからなくて困っていたところ、こちらを拝見し、メールさせていただきました。
ラテン語の原文 “Non Frustra Signorum Obitus Speculamur et Ortus” と
“devm creatorem venite adoremvs”
はそれぞれカタカナ表記すると
「ノーン・フルーストラ・シグノラム・オビトゥス・スペクラムル・エト・オルトゥス
コメタ・ウィースス」と
「デウム・クレアトレーム・ウェニテ・アドレムウス」でよろしいでしょうか。
ご教示のほど、よろしくお願いいたします。
Nōn Frustrā signōrum Obitūs Speculāmur et Ortūs.
ノーン・フルストラー・シグノールム・オビトゥース・スペクラームル・エト・オルトゥースです。
devum creātōrem venīte adorēmvs
デウム・クレアートーレム・ウェニーテ・アドレームスです。
はじめまして。発音をお伺いしたくてここに投稿します。
vivat→ウィーワット、facileque→ファキレークウェ?
gratiam→グラーティアム でしょうか。
学生の頃、声楽の授業で習ったのとはずいぶん違うように感じたので質問でした。
声楽のラテン語について詳しく存じませんが、たしかに古典ラテン語の発音とずいぶん異なるかもしれません。
申し訳ありません追加です。
coelisはチェーリスではない?ないのでしょうか?
praemiaはプレーミア?
aeternaはエテールナ?
古典ラテン語の発音は基本的にローマ字読みになります。
有難う御座います。
現在、外国の植物学者の本を訳しておりますが、当然のことながらラテン語表記の学名が頻出し、いつも利用させていただいているこのサイトを頼りに日本語表記を進めています。とはいえ、さすがに確信のもてないものがいくつか残りました。まことに恐れ入りますが、下記の表記について誤りがあればご指摘いただけませんでしょうか? 特に、phやrhの発音、重母音の扱いに迷っています。
Ziziphi argenteo zelanico ジジフィ・アルゲンテオ・ゼラニコ
Staphylea trifolia スタピュレア・トリフォリア
Dictyocaryum lamarckianum ディクティオカリウム・ラマルッキアヌム
Begonia montis-elephantis ベゴニア・モンティスエレファンティス
Majidea zanguebarica マイイデア・ザンゲバリカ
Meconopsis betonicifolia メコノプシス・ベトニキフォリア
Ravenea muscicalis ラウェネア・ムシカリス(ミズヤシ)
Rhapis vidalii ラピス・ウィダリ
よろしくお願いいたします。
山下です。
>Ziziphi argenteo zelanico ジジフィ・アルゲンテオ・ゼラニコ
古典式は「ジジピ」です。
>Staphylea trifolia スタピュレア・トリフォリア
>Dictyocaryum lamarckianum ディクティオカリウム・ラマルッキアヌム
古典式は「ディクテュオカリュウム・ラマルキアヌム」です。
>Begonia montis-elephantis ベゴニア・モンティスエレファンティス
古典式は「・・・エレパンティス」です。
>Majidea zanguebarica マイイデア・ザンゲバリカ
古典式は「・・・ザングエバリカ」です。
>Meconopsis betonicifolia メコノプシス・ベトニキフォリア
>Ravenea muscicalis ラウェネア・ムシカリス(ミズヤシ)
古典式は「・・・ムスキカリス」です。
>Rhapis vidalii ラピス・ウィダリ
古典式は「・・・ウィダリイ」です。
>よろしくお願いいたします。
表記の仕方はいろいろ難しいですね。
早速のご指導ありがとうございました(返信が遅れ申し訳ありません)。大変助かりました。今後ともよろしくお願いいたします。
申し訳ありませんが、訳しを教えていただけないでしょうか。
旧約聖書詩篇116 convertere,anima mea
このタイトルのconvertere の意味がわかりません。よろしくお願い致します。
意味は、「わが魂よ、向かえ」です。
元の文を調べると、向かう先は「汝の安息へ」です。
https://www.virgosacrata.com/psalm-114
リンク先をご覧いただくと原文と英訳がみつかります。前後関係もある程度わかります。
convertō,-ere(向きを変える、向かわせる)の命令法・受動態・現在、2人称単数です。
受動になると、「(~へ)向かう」という意味になります。よって、「~に向かえ」と訳すことができます。
行先は?というと、この命令文は、in requiem tuamと続きます。「汝の(tuam)安息(requiem)に向かって(in)」です。
さらにその続きは、quia Dominus benefēcit tibi.となっています。
「というのは(quia)主は(Dominus)汝のために(tibi)よく計らって下さった(benefēcit)から」。
benefēcītはbenefaciō,-cere(正しく行う、親切にする)の直説法・能動態・完了、3人称単数で主語はDominusです。
先月、植物のラテン語名の発音についてご教示いただいたものです。
今日はそのなかのRavenea muscicalis ラウェネア・ムスキカリス(ミズヤシ)の意味を教えていただきたくお尋ねします。
熟したヤシの実が水音を立てて落ちることから命名されたという文脈でこのラテン語が出てくるので、muscicalisは音楽を指していると推測されるものの全体の意味は分かりません。
直訳で結構ですので、この学名の意味を教えていただければ幸いです。
先だって、植物のラテン語表記について教えていただいた者です。
そのなかにあったRavenea muscicalis ラウェネア・ムスキカリス(ミズヤシ)の意味についてお尋ねします。これを「音楽のヤシ」と訳していいでしょうか? 熟した実が次々と音を立てて水面に落下するようすを連想させる命名という文脈のなかで出てくる植物名です。
恐れ入りますが、ご教示のほどよろしくお願いいたします。
raveneaがヤシの意味ならそのように訳してよいと思います(古典語の辞書には見つかりませんでした)。
musicalisの綴りが正しいと思います。ムーシカーリスと読みます。
ご返信ありがとうございました。muscicalis は原書の誤植でした。原書の他の箇所ではご指摘のとおりmusicalisと表記されていました。訳書ではムーシカーリスと表記いたします。raveneaは他のヤシ類の表記にも使われており、ヤシで間違いないと思います。
ご懇切なるご指導ありがとうございました。
こんにちは。
読み方に関する疑義が昔から案外多いようですね。
元来、ラテン人が、自分たちの発音を、(発音記号のような考えで)文字化したはずなので、我々も原則上、発音記号とみなせば良く、迷う余地はないはずですね。(しかし迷ってしまいますが)
ただし注意点は、
・長音記号はなく、表現しない(できない)。[したがって、辞書に当たるか、もしくは暗記が必要]
・ギリシャ語由来語で、無気子音と有気子音との区別(例:Π /p/ と Φ /pʰ/ )は、ラテン語発音は両方とも無気だが、ラテン語綴りは p と ph として区別を残す。
いかがでしょうか?
ラテン語の発音について、およそこれだけは知っておきたいということに絞って書いています。補足していただき、ありがとうございました。
いわゆるネイティブスピーカーが存在しない「死語」であり、YouTubeを見ていますと、各国のラティニストの発音はお国訛りが大なり小なりあるのが興味深く思われます。
ありがとうございます。
ラテン語の読み方は(および疑義は)、随分、奥深いですね。
また、『ラテン語の「AE」、「OE」の発音 [ae]、[ɔe] が、何時頃、[ai]、[ɔi] へ変化したのか?(古典期もしくはそれ以降か?)』という問題提起も興味深いですね。
なお、『「古典ラテン語」https://ja.wikipedia.org/wiki/古典ラテン語 (Wikipedia)』を見ますと、その記事内に書かれている細部のどこまでが正確なのかも気になりますが、何かの文献を探れば解明できるものでしょうか?
ご指摘の問題あ、言語学の領域において奥深いテーマだと思います。私は辞書を引いて読むのがもっぱらでやってきましたので、根拠となる文献については詳しくありません。
植物を対象にした研究活動に関わっています。
以前より学名の読み方が国によってばらばらなことが気になっていました。国際植物命名規約は学名をラテン語またはギリシャ語を語源とする言葉で構成することになっていますが、読み方については規則がありません。そのため、世界中で英語読み、フランス語読み、スペイン語読みなど様々です。日本では英語読みが主流ですが、それが主流になってしまい、ラテン語読みはないがしろにされています。そこで、できるだけラテン語読みを私はしようと思い、勉強させて頂いています。種小名xylumを日本人研究者はザイラムと読みます。私はxは[ks]が基本と思います。また、属名Ximeniaはジメニアと読まれているらしく、これも[ksi]でないのかと日々疑問に思っています。貴殿のページも書籍も深く読んでおりませんが、今後ご指導を頂ければ幸いです。ある植物学者が、ある時、学名はラテン語として読むべきだと解説したら、学生から「話す人のいないラテン語で読むことの意味がありますか」と言われ悩んだと聞いたことがあります。中国の総書記氏をニュースで日本語読みにすることと同じで、本来の読み方で呼ぶことがその者や人の独自性・固有性を保つ、反対に言えば、違う読み方で呼ぶことはその者や人の独自性や固有性をないがしろにしていることと同じと私は思います。その考えから、動植物の学名をラテン語読みすることは現代においても非常に重要なことではないかと思っているところです。
長文失礼しました。
山下です。
ご指摘通りxは[ks]ですので、古典ラテン語読みでxaは「クサ」、xeは「クセ」といった具合に表記します。例として、Xanthos: クサントス、Xenophōn: クセノポーン。
xylumは「クシュルム」、Ximeniaは「クシメニア」となります。
はじめまして、趣味で宗教曲を嗜んでいるものです。
ラテン語の発音をしっかり教えてくださっているサイトはなかなかないので、いつも大変参考にしております。
今回、文章として発音する際の読み方についてご教示いただきたくご連絡いたしました。
①Gloria in excelsis Deo,
②et in terra pax
上記のように子音で終わり、次の単語の頭が母音の場合(①in_excelsis ②et_in)、イタリア語のように繋げて発音するのでしょうか。
それとも各々で区切って発音するのでしょうか。
文献を見てみたのですが、なかなか答えに辿り着けなかったため、ご回答いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
つなげるか、つなげないか、本当のところはよくわからないというのが率直な答えになりますが、私はつなげずに一語ずつ丁寧に発音することでよいと考えています。
次のラテン語の読み方とアクセントの付く箇所について教えてください。
egrediamur
Parturierunt
floruerunt
この3単語です。
山下です。
ご質問をありがとうございます。
それぞれどこにアクセントがつくと思われますか?