ラテン語入門のエッセイ– ラテン語入門のエッセイ –
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Homo sum. 私は人間である:テレンティウス
テレンティウス Homo sum.(ホモー・スム)は人類愛を象徴するラテン語の名句として名高いです。この言葉の続きは、Humani nil a me alienum puto.(人間にかかわることで私に無縁なものは何もないと思う)と続きます。 「ホモー・スム」とだけ口にすれば... -
videre est credere. 見ることは信じること(再)
videre est credere. 見ることは信じること 表題のバリエーションとして、Vide et crede. (見よ、そして信じよ)というのもあります。日本語に「百聞は一見にしかず」ということわざがありますが、ラテン語にも似た言い回しが見つかります。 pluris est o... -
Fides facit fidem.
語彙と文法 「フィデース・ファキト・フィデム」と読みます。fidēs は「信頼」を意味する第5変化名詞fidēs,-ēī f.の単数・主格です。facit は「つくる、生む」を意味する第3変化動詞B faciō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。fidem は fidēs ... -
Fides facit fidem. 信頼が信頼を生む
ラテン語の語順は自由なので、Fides fidem facit. としても同じ意味になります。 主語は Fidēs 、fidem が目的語、facit が動詞です。いわゆるSVOの構文になっています。 同じ構文の格言として、Amor gignit amōrem. (愛が愛を生む)という表現もあります... -
Aquila non capit muscas. 鷲は蠅を捕まえない
Aquila nōn capit muscās. アクゥィラ・ノーン・カピト・ムスカース 鷲は蠅を捕まえない 元はギリシア語のことわざでしたが、いつしかラテン語に訳され広まりました。それだけ共感する人が多かったのでしょう。一言で言えば、大物は小物に頓着しない、と... -
Omnia tempus habent. すべてには時がある
英語で言うSVOの構文になっています。Omnia が主語、tempus が目的語、habent が動詞です。Omnia は複数、tempus は単数です。動詞 habent の形から、主語が複数形だとわかります。それで Omnia が主語とわかります。tempus はどうして対格なのでしょう? ... -
Omnis habet sua dona dies. 日々是好日:マルティアーリス
語彙と文法 「オムニス・ハベト・スア・ドーナ・ディエース」と読みます。omnis は「すべて」を意味する第3変化形容詞 omnis,-e の男性(または女性)・単数・主格で diēs にかかります。habet は「もつ」を意味する第2変化動詞habeō,-ēre の直説法・能動... -
Memento mori. メメント・モリ:死を忘れるな
メメントモリは「自分がいつか死ぬことを忘れるな」という意味のラテン語です。 語彙と文法の説明 「メメントー・モリー」と発音します。「メメントモリ」という言い方を見聞きするかもしれませんが、古典ラテン語の発音ではmementōは「メメントー」、morī... -
Vox populi vox dei. 天声人語
語彙と文法 「ウォクス・ポプリー・ウォクス・デイー」と読みます。voxは第3変化名詞 vox,vōcis f.(声)の単数・主格です。(研究社の羅和辞典の見出しは、vox,vōcis,f.となっていて単数・主格はvōxではありません)。populī は第2変化名詞 populus,-ī m....