Miserum est arbitrio alterius vivere.

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「ミセルム・エスト・アルビトリオー・アルテリーウス・ウィーウェレ」と読みます。
miserum は「哀れな」を意味する第1・第2変化型形容詞 miser の中性・単数・主格です。文の補語です。
arbitriō は「判断、思惑」を意味する第2変化中性名詞 arbitrium,-ī n. の単数・奪格です。「~によって」という意味を表します(「手段の奪格」)。
alterīus は「他の」を意味する代名詞的形容詞 alter,-era,-erum の男性・単数・属格で arbitriō にかかります。この文では名詞として用いられ、「他人の」を意味します。(※読者からのご指摘を受け、加筆しました)。「形容詞の名詞的用法」に当たります。
vīvere は「生きる」を意味する第3変化動詞 vīvō,-ere の不定法・能動態・現在です。この文章の主語になります。
「他人の判断に従って生きることはみじめである。」と訳せます。
プブリリウス・シュルスの言葉です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • alterīus(属格) がarbitriō (奪格)にかかるとのことですがalterは形容詞であるのになぜ格が一致しないのでしょうか。arbitriō alterō となるべきでは?

  • 山下です。

    >> Miserum est arbitrio alterius vivere.

    alteriusは形容詞の名詞的用法になります。この文では「他人」を意味します。その属格は「他人の」となり、arbitriōにかかります。

    ラテン語は形容詞が名詞として使われる例がきわめて多いです。
    あまりに多く、慣れてしまうとそのことに違和感を抱かなくなるため、肝心な説明を省いてしまいました。
    お尋ねくださったように疑問を抱かれるのが自然でした。

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