「ミセルム・エスト・アルビトリオー・アルテリーウス・ウィーウェレ」と読みます。
miserum は「哀れな」を意味する第1・第2変化型形容詞 miser の中性・単数・主格です。文の補語です。
arbitriō は「判断、思惑」を意味する第2変化中性名詞 arbitrium,-ī n. の単数・奪格です。「~によって」という意味を表します(「手段の奪格」)。
alterīus は「他の」を意味する代名詞的形容詞 alter,-era,-erum の男性・単数・属格で arbitriō にかかります。この文では名詞として用いられ、「他人の」を意味します。(※読者からのご指摘を受け、加筆しました)。「形容詞の名詞的用法」に当たります。
vīvere は「生きる」を意味する第3変化動詞 vīvō,-ere の不定法・能動態・現在です。この文章の主語になります。
「他人の判断に従って生きることはみじめである。」と訳せます。
プブリリウス・シュルスの言葉です。
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コメント
コメント一覧 (2件)
alterīus(属格) がarbitriō (奪格)にかかるとのことですがalterは形容詞であるのになぜ格が一致しないのでしょうか。arbitriō alterō となるべきでは?
山下です。
>> Miserum est arbitrio alterius vivere.
alteriusは形容詞の名詞的用法になります。この文では「他人」を意味します。その属格は「他人の」となり、arbitriōにかかります。
ラテン語は形容詞が名詞として使われる例がきわめて多いです。
あまりに多く、慣れてしまうとそのことに違和感を抱かなくなるため、肝心な説明を省いてしまいました。
お尋ねくださったように疑問を抱かれるのが自然でした。