『しっかり学ぶ初級ラテン語』第3章1「直説法・能動態・現在」の例文解説

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  1. Tacent, satis laudant. Ter.Eun.476

Tacent: taceō,-ēre(沈黙する)の直説法・能動態・現在、3人称複数。
satis: 十分に
laudant: laudō,-āre(賞賛する)の直説法・能動態・現在、3人称複数。

「彼らは黙っている(Tacent)。十分(satis)賞賛している(laudant)。

2. Ōtia dant vitia. 暇は悪徳を与える。

Ōtia: ōtium,-iī n.(暇、閑暇)の複数・主格。
dant: 不規則動詞dō,dare(与える)の直説法・能動態・現在、3人称複数。
vitia: vitium,-iī n.(悪徳)の複数・対格。

暇(Ōtia)は悪徳(vitia)を与える(dant)。文法的には「悪徳は暇を与える」と訳しても間違いではありません。

3. Dum spīrō, spērō. 私は息をする限り、希望を持つ。

Dum: ~する間、~する限り 
spīrō: spīrō,-āre(息をする)の直説法・能動態・現在、1人称単数。
spērō: spērō,-āre(希望を持つ)の直説法・能動態・現在、1人称単数。

私は息をする(spīrō)間(dum)希望を持つ(spērō)。

4. Nec habeō, nec careō, nec cūrō. 

Nec: 「~ない」。nec A nec B nec C で「Aもせず、Bもせず、Cもしない」。この構文の1つ目のnec。
habeō: habeō,-ēre(持つ)の直説法・能動態・現在、1人称単数。
nec: 「~ない」。nec A nec B nec C で「Aもせず、Bもせず、Cもしない」。この構文の2つ目のnec。
careō: careō,-ēre(不足を感じる、欠いている)の直説法・能動態・現在、1人称単数。
nec: 「~ない」。nec A nec B nec C で「Aもせず、Bもせず、Cもしない」。この構文の3つ目のnec。
cūrō: cūrō,-āre(苦労する、気をもむ)の直説法・能動態・現在、1人称単数。

「私は持たない(Nec habeō)、不足を感じない(nec careō)、気をもまない(nec cūrō)」。

5. Fāma volat. 噂は飛ぶ。 Verg.Aen.8.554

Fāma: 第1変化名詞fāma,-ae f.(噂)の単数・主格。
volat: volō,-āre(飛ぶ)の直説法・能動態・現在、3人称単数。

「噂は(Fāma)飛ぶ(volat)」。

6. Cum docent, discunt. 彼らは教える時、学んでいる。

Cum: ~するとき
docent: doceō,-ēre(教える)の直説法・能動態・現在、3人称複数。
discunt: discō,-ere(学ぶ)の直説法・能動態・現在、3人称複数。

「彼らは教える(docent)間(dum)学んでいる(discunt)」。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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