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西洋古典
ニーススとエウリュアルス
『アエネイス』第9巻(訳) 420 残忍なウォルケンスは荒れ狂う。が、槍を投げた男の姿を認めることができず、怒りに燃えながらもどこに突進すべきかがわからなかった。「それでは、おまえ(=エウリュアルス)の熱い血で二人(スルモとタグス)を殺した罪... -
西洋古典
人の世の営みに対する涙
『アエネイス』第6巻の冒頭で,主人公アエネアスはシビュッラ(巫女)の予言を求めてアポロの神殿に赴きます.詩人はここでいったん物語の進行を中断し,この神殿にまつわる縁起物語を紹介していきます.すなわち,噂によるとダエダルスはミノスの王国を... -
西洋古典
今の苦しみを思い出して喜べる日も訪れる
『アエネーイス』第一巻の冒頭に見られる言葉です。主人公は未知の土地(カルターゴー)に漂着したとき,心中不安と希望が交錯しますが、表題の言葉を含む激励を部下に与えます。 「おお、仲間の者たちよ(我々はかつて様々の苦難を知らぬわけではない)、... -
西洋古典
戦争と一人の英雄
ローマの詩人ウェルギリウスは、叙事詩『アエネーイス』(アエネーアースの物語)をかきました。アエネーアースはトロイアの王子でしたが、ギリシア軍との戦いに敗れ(これがトロイア戦争で、ホメーロスが『イーリアス』の中で描いています)、祖国を脱出... -
西洋古典
『アエネイス』第1巻から4巻までの流れ
第1巻:カルターゴーに漂着したアエネーアース(トロイアの王子)とその仲間は,ディードー(カルターゴーの女王)に温かく迎えられます.夫シュカエウスを兄に殺され(このエピソードはシェイクスピアの『ハムレット』を連想させます)、兄の手を逃れて... -
ラテン語格言
Rumpe moras.
「ルンペ・モラース」と読みます。 rumpeは「打ち破る」を意味する第3変化動詞 rumpo,-ereの命令法・能動態・現在、2人称単数です。 morāsは「遅れ、遅延」を意味する第1変化名詞 mora,-ae f.の複数・対格です。 「遅延を打ち破れ」と訳せます。 「ぐずぐ... -
西洋古典
ウェルギリウスの『農耕詩』(まとめ)
※以下、メモ書きです。 時代背景 前70(10月15日)-前19(9月21日)。プーブリウス・ウェルギリウス・マローは、マントウァ(現マントヴァ)近くの村にて生を受ける。(ドナートゥス『伝記』二節、他) 内乱と政争に明け暮れる祖国。 カティリーナの反乱... -
訳と解説
オルペウスとエウリュディケ:ウェルギリウス『農耕詩』第4巻エピローグ
ウェルギリウスの『農耕詩』第4巻エピローグの試訳 ウェルギリウスの『農耕詩』第4巻の後半には「アリスタエウス物語」と呼ばれる「脱線話」(digression)があります。その中に次に紹介するような「オルペウスとエウリュディケ」のエピソードが見いだせま... -
西洋古典
タレントゥムの老人
ウェルギリウスの『農耕詩』第4巻の初めには、自然と共生する老人の姿が描かれています(詩人の思い出という形をとっています)。蜜蜂の生態を語る箇所ですので、文学の技法上「脱線話」(digression)の一つとみなされます。 125 なぜなら私は思い出す。...