「フルクトゥアト・ネク・メルギトゥル」と読みます。
fluctuat は「波のように揺れる、波の上で翻弄される」を意味する fluctuō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は明示されていませんが、一般には「船」を意味すると考えられます。
nec は否定を意味します。nec=et nōn と説明されます。「そして~でない」または、「それでも~でない」と文脈で訳し分けます。この文では後者となります。
mergitur は「水の中へ突っ込む、沈める」を意味するmergō,-ere の直説法・受動態・現在、3人称単数です。「沈められる」という意味です。
直訳は、「それ(船)は波の上で揺れる。それでも沈められない」となります。
パリ市のモットーとして知られます。日本語訳は「たゆたえども沈まず」で人口に膾炙しています。動乱を乗り越えて進むパリ市を船に見立てていると言えます。
※この表現については、『ラテン語名言小辞典』(野津寛著)の解説が詳しいです。
ラテン語名句小辞典
野津 寛
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] パリ市のモットーではありませんが、私自身、「たゆたえども沈まず」(Fluctuat nec mergitur.)の心意気で進んでまいりたいと思います。 […]
[…] Fluctuat nec mergitur. […]