語彙と文法
「パクス・イントランティブス・サルース・エクセウンティブス」と発音します。
pax は「安らぎ、平和」を意味するpax,pācis f.の単数・主格です。
intrantibusはintrō,-āre(中に入る、訪れる)の現在分詞、男性・複数・与格です。名詞的に用いられ、「訪れる者に」を意味します。
salūsは「幸せ、安全、健康」を意味するsalūs,-ūtis f.の単数・主格です。
exeuntibus は合成動詞exeō,-īre(去る)の現在分詞、男性・複数・与格です。名詞的に用いられ、「去りゆく者に」を意味します。
願望、希求を意味する接続法 sit が省かれています(sitは不規則動詞sum,esse <ある>の接続法・現在、3人称単数)。
直訳は、「訪れる者たちに安らぎが(ありますように)、去り行く者たちに安全が(ありますように)」となります。
「訪れる者に安らぎを、去りゆく者に安全を」と訳せます(この日本語の省略語は「祈る」等)。
ドイツのローテンブルクという街にあるシュピタール門に、ラテン語で刻まれているそうです。
健康と安寧の女神サルース
salūsは大文字でSalūsと表記される場合、「健康と安寧の女神サルース」を意味します。ギリシア神話の「ヒュギエイア」(Ὑγίεια)に相当します。
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 文法の説明は、こちらを御覧ください。>>Pax intrantibus, salus exeuntibus. […]
pax intrantibus
salvs exevntibus
羽田空港第二ターミナルでこの言葉を刻したのを見つけました。大きいプレートなのですが、距離が離れていてかろうじてスマホで撮影ができました。そういう意味だったのですね。
羽田空港のターミナルにそのようなプレートがあるとは存じませんでした。情報のご提供をありがとうございました。