Pax intrantibus, salus exeuntibus.

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語彙と文法

「パクス・イントランティブス・サルース・エクセウンティブス」と発音します。
pax は「安らぎ、平和」を意味するpax,pācis f.の単数・主格です。
intrantibusはintrō,-āre(中に入る、訪れる)の現在分詞、男性・複数・与格です。名詞的に用いられ、「訪れる者に」を意味します。
salūsは「幸せ、安全、健康」を意味するsalūs,-ūtis f.の単数・主格です。
exeuntibus は合成動詞exeō,-īre(去る)の現在分詞、男性・複数・与格です。名詞的に用いられ、「去りゆく者に」を意味します。
願望、希求を意味する接続法 sit が省かれています(sitは不規則動詞sum,esse <ある>の接続法・現在、3人称単数)。
直訳は、「訪れる者たちに安らぎが(ありますように)、去り行く者たちに安全が(ありますように)」となります。
「訪れる者に安らぎを、去りゆく者に安全を」と訳せます(この日本語の省略語は「祈る」等)。
ドイツのローテンブルクという街にあるシュピタール門に、ラテン語で刻まれているそうです。

健康と安寧の女神サルース

salūsは大文字でSalūsと表記される場合、「健康と安寧の女神サルース」を意味します。ギリシア神話の「ヒュギエイア」(Ὑγίεια)に相当します。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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