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ラテン語格言
Fugit hora.
「フギト・ホーラ」と読みます。hōra fugit と同じ意味になりますが、ペルシウスの表現(5.153)は表題の語順です。hōraはhōra,-ae f.(時)の単数・主格です。fugit は「逃げる」、hōra は「時は」で、あわせると「時は逃げる」となります。fugitはfugiō,... -
ラテン語格言
Gaudeamus igitur.
語彙と文法 「ガウデアームス・イギトゥル」と読みます。gaudeāmus は「喜ぶ、楽しむ」を意味する第2変化動詞 gaudeō,-ēre の接続法・能動態・現在、1人称複数です。「いっしょに楽しもうではないか」と呼びかける言い方です。「意思」の用例です。Vīvāmus... -
西洋古典
夏草や兵どもが夢の跡: Et Thebae steterant altaque Troja fuit.
表題のラテン語は簡単に見えて奥が深いです。 Et Thebae steterant altaque Troja fuit. かつてテーバエが聳えていた。高いトロイアがあった。 このラテン語は時制の解釈が鍵を握ります。steterant はいわゆる過去完了で fuit は完了時制です。ラテン語の... -
ラテン語格言
Hodie, non cras.
「ホディエー・ノーン・クラース」と読みます。hodiē は「今日」を意味する副詞です。crās は「明日」を意味する副詞です。「明日でなく今日」と訳せます。メッセージは簡潔で力強い、決意の言葉です。Nunc aut numquam.(今やるか、一生やらないか)など... -
ラテン語格言
Flectere si nequeo superos, Acheronta movebo.
「フレクテレ・シー・ネクゥェオー・スペロース・アケロンタ・モウェーボー」と読みます。 flectere は「変える」を意味する第3変化動詞 flectō,-ere の不定法・能動態・現在です。 nequeō は「<不定法>をすることができない」を意味する不完全動詞、直... -
ラテン語格言
Flamma fumo est proxima.
語彙と文法 「フランマ・フーモー・エスト・プロクシマ」と読みます。 flamma は「炎」を意味する第1変化名詞flamma,-ae f.の単数・主格です。文の主語です。 fūmō は「煙」を意味する第2変化名詞fūmus,-ī m.の単数・与格です。proximaが要求する与格です... -
ラテン語入門のエッセイ
旅を見守る言葉:Pax intrantibus, salus exeuntibus.
Pax intrantibus, salus exeuntibus. 訪れる者に安らぎを、去りゆく者に安全を この言葉は、ドイツのローテンブルクという街にあるシュピタール門に刻まれているラテン語として知られています。 文頭のpax は「安らぎ、平和」を、salūs は「幸せ、安全、... -
西洋古典
多くを求めること:ホラーティウス
Non qui parum habet, sed qui plus cupit pauper est. 僅かしか持たぬ者でなく、多くを望む者が貧しい。 これはセネカの言葉です(ep.2,6)。 ラテン語には、金銭の執着を戒める警句がじつに多いです。短いところでは、ホラーティウスの「貪欲な者は常に... -
西洋古典
心のバランス:キケロー
タイトルは equal の語源、aequabilis の名詞形で平衡と訳されます。日常生活を送っていると、「バランス」という言葉の大事さを痛切に感じるときがあります。言い過ぎてもだめ、言わなくてもだめといった具合に。この言葉を使ったキケローの表現をご紹介...