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ラテン語格言
Heu pietas! Heu prisca fides!
語彙と文法 「ヘウ・ピエタース・ヘウ・プリスカ・フィデース」と読みます。 pietās は「敬虔な心」を意味する第3変化名詞pietās,-ātis f.の単数・呼格です。 prisca は「かつての、昔の」を意味する第1・第2変化形容詞priscus,-a,-umの女性・単数・呼格で... -
ラテン語入門のエッセイ
髭は哲学者をつくらない
一見ユーモラスな表現ですが、いわんとすることは鋭いです。見かけ倒しを戒める警句です。「わたしは髭とマントを見るが哲学者は目にしない」(Videō barbam et pallium, philosophum nōn videō.)というゲッリウスの表現や、「頭巾は僧を作らず」(Cucull... -
西洋古典
穏やかな言葉は怒りを打ち砕く(柔よく剛を制する)
Sermo mollis frangit iram. 穏やかな言葉は怒りを打ち砕く。 sermo は「言葉、発話」を意味する名詞で、英語の sermon の語源です。英語では「教会の説教」という意味で使われます。sermo を使った格言に、Sermo imago animis est. (言葉は心の似姿)が... -
ラテン語入門のエッセイ
Nemo in amore videt. 恋は盲目
表題のラテン語を文字通り訳せば「誰も恋において(ものを)見ていない」となります。「恋は盲目」は英語で Love is blind. と言いますが、ラテン語では Amor caecus est. と言います。 caecus は「盲目の、正しい判断が下せない」という意味で、たとえば ... -
ラテン語格言
Vulgare amici nomen, sed rara est fides.
「ウルガーレ・アミーキー・ノーメン・セド・ラーラ・エスト・フィデース」と読みます。 vulgare は「ありふれた、凡庸な」を意味する第3変化形容詞 vulgaris,-e の中性・単数・主格です。主語nomen に対する補語です。 amici は「友、友人」を意味する第2変... -
ラテン語格言
Iniqua numquam regna perpetuo manent.
「イニークア・ヌンクァム・レグナ・ペルペトゥオー・マネント」と読みます。 iniqua は「不正な」を意味する第一・第二変化形容詞 iniquus, -a, -um の複数・主格で regna にかかります。 numquam は「けっして・・・ない」を意味する副詞です。 regna は「... -
ラテン語格言
Fugit hora.
「フギト・ホーラ」と読みます。hōra fugit と同じ意味になりますが、ペルシウスの表現(5.153)は表題の語順です。hōraはhōra,-ae f.(時)の単数・主格です。fugit は「逃げる」、hōra は「時は」で、あわせると「時は逃げる」となります。fugitはfugiō,... -
ラテン語格言
Gaudeamus igitur.
語彙と文法 「ガウデアームス・イギトゥル」と読みます。gaudeāmus は「喜ぶ、楽しむ」を意味する第2変化動詞 gaudeō,-ēre の接続法・能動態・現在、1人称複数です。「いっしょに楽しもうではないか」と呼びかける言い方です。「意思」の用例です。Vīvāmus... -
西洋古典
夏草や兵どもが夢の跡: Et Thebae steterant altaque Troja fuit.
表題のラテン語は簡単に見えて奥が深いです。 Et Thebae steterant altaque Troja fuit. かつてテーバエが聳えていた。高いトロイアがあった。 このラテン語は時制の解釈が鍵を握ります。steterant はいわゆる過去完了で fuit は完了時制です。ラテン語の...