Post nubila Phoebus.

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「ポスト・ヌービラ・ポエブス」と発音します。
post は対格を支配する前置詞で「<対格>の後、<対格>の後ろに」を意味します。英語でいえば、空間的前後関係を示すbehindと、時間的前後関係を示すafterの2つの意味を併せ持ちます。
nūbila は「雲」を意味する第2変化名詞 nūbilum,-ī n. の複数・対格です。
Phoebus は「太陽神アポロ」と「太陽」の2つの意味を持ちます。
動詞は省略されていますが、est(sumの直説法・現在、3人称単数)を補うと「雲の後(あと)に太陽(がある)」と訳すことができます。
「苦あれば楽あり」、「雨降って地固まる」などと意訳できます。
一方、post を空間的前後関係を示す前置詞ととれば、「雲の後ろに太陽(がある)」と訳せます。
雨を降らせる雲が空を覆っていても、私たちは太陽の存在を疑うことができないように、世の中を不正がいかに曇らせても、我々は善の存在を信じることができるという趣旨で理解可能です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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