「グローリアム・クゥィー・スプレーウェリト・ウェーラム・ハベービト」と読みます。
glōriam は「栄光」を意味する第1変化名詞 glōria,-ae f. の単数・対格です。
quī は関係代名詞、男性・単数・主格です。先行詞は省略されています。「~ところの人は」となります。
sprēverit は「軽蔑する」を意味する第3変化動詞 spernō,-ere の直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。
前半は「栄光を軽蔑する者は」となります(直訳は「栄光を軽蔑してしまう者は」)。
vēram は「真の」を意味する第1・第2変化形容詞 vērus,-a,-um の女性・単数・対格です。glōriam が省略されています。これを補うと「真の栄光を」と訳せます。
habēbit は「持つ」を意味する第2変化動詞 habeō,-ēre の直説法・能動態・未来、3人称単数です。
「栄光を軽蔑する者は、真の栄光を持つだろう。」と訳せます。
ローマの歴史家リーウィウスが『ローマ建国史』第22巻39節に記した逆説的表現です。
余談
『ギリシア・ローマ名言集』(柳沼重剛、岩波文庫)の解説「第二次ポエニ戦争のはじめに、時の執政官ウァロに、クィントゥス・ファビウス・マクシムスがこう言って励ましたという」にあるクィントゥス・ファビウス・マクシムスとは、クンクタートル(愚図な男)のあだ名を持つローマの将軍です。地味な持久戦でハンニバルを苦しめ、後々ローマの盾と評されました。 なお同名言集ではveramがverumとなっていますが誤植です。
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