Helluo librorum.

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Aeneis

語彙と文法

「ヘッルオー・リブロールム」と読みます。
helluōは「大食漢」を意味する第3変化名詞helluō,-ōnis m.の単数・主格です。
librōrum は「本」を意味する第2変化名詞liber,-brī m. の複数・属格です。helluōにかかります。
「本の大食漢」というのが直訳で、「本の虫」と意訳できます。

第2変化名詞liber,-brī m.(本)の変化

単数複数
主格(呼格)liberlibrī
属格librīlibrōrum
与格librōlibrīs
対格librumlibrōs
奪格librōlibrīs

次に第1・第2形容詞līber,-era,-erum(自由な)の男性変化のみご紹介します。両者の区別は重要です。

単数複数
主格(呼格)līberlīberī
属格līberīlīberōrum
与格līberōlīberīs
対格līberumlīberōs
奪格līberōlīberīs

重要な相違点は単数・属格です。「リブリー」と「リーベリー」は発音するとずいぶん違います。つづりの点で、形容詞はbの次にeがつきます。

確認問題的に次のラテン語はどう訳せばよいでしょうか。

līberī,-ōrum m.pl.

答えは「子ども」です。上で見た形容詞のlīber,-era,-erum(自由な)の男性・複数・主格はlīberīです。これが名詞として独立し、「子ども」を意味するようになりました。元の意味は「自由な人たち」です。発音は「リーベリー」です。

もしliber,-brī m.(本)の複数・主格であればlibrīです。発音は「リブリー」です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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