Fortuna opes auferre potest, non animum.

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「フォルトゥーナ・オペース・アウフェッレ・ポテスト・ノーン・アニムム」と読みます。
Fortūnaは第1変化名詞fortūna,-ae f.(運命)の単数・主格で、文の主語になります。
opēs は第3変化名詞ops,opis f.(力、<複数>資力、財産)の複数・対格です。この文では「財産」を意味します。auferreの目的語です。
auferre は aufero,-ferre(奪う)の不定法・能動態・現在です。potestの要求する不定法です。
potest は不規則動詞 possum,posse(<不定法>ができる)の直説法・能動態・現在、3人称・単数です。
animum は「心、精神、意志」を意味する animus の単数・対格です。
nōnは「~でない」。カンマ以下に省略された動詞potestを否定します。
後半に言葉を補うと、fortūna animum nōn auferre potest.となります。
「運命は財産を奪うことができるが、心を奪うことはできない。」という意味になります。
運命にちなんだ言葉は数多くあります。運命の気まぐれを嘆く例文が多い中、この例文は精神の自由(運命に従属していない)を主張しています。
セネカの悲劇『メデア』に見られる表現です(176)。

セネカ悲劇集〈1〉 (西洋古典叢書)
セネカ 小林 標
4876981027

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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