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ラテン語入門のエッセイ
Tacens vocem verbaque vultus habet. 沈黙した顔は声と言葉を持つ
オウィディウスの詩句です。無言の表情は雄弁だという逆説です。なぜ無言なのでしょうか。悲しいのか、怒っているのか、それとも感動しているのか。この一文だけでは何もわかりません。いろいろ解釈できる余地が残っています。 これは『恋の技法』の中に見... -
ラテン語入門のエッセイ
Dies dolorem minuit. 月日が苦悩を和らげる
Dies dolorem minuit. 月日が苦悩を和らげる Dies dolorem minuit. これはイギリスの学者ロバート・バートンの言葉として知られます。ラテン語の dies は英語の day に当たります。月日が苦悩を和らげるということは、程度の差こそあれ、誰もが体験を通し... -
ラテン語入門のエッセイ
天声人語
Vox populi vox dei.というラテン語があります(リンク先に文法の説明があります)。 表題をそのまま訳すと「民衆の声は神の声(である)」となります。「天声人語」という表現はこのラテン語を元にしているようです。vox populi が「民の声」、vox dei が... -
ラテン語格言
Omnia fert aetas, animum quoque.
「オムニア・フェルト・アエタース・アニムム・クォクゥェ」と読みます。 omnia は「すべて」を意味する第3変化形容詞 omnis の中性・複数・対格です。 fert は「運ぶ」を意味する不規則変化動詞 ferō の現在・3人称・単数です。 aetās は「時」を意味する... -
ラテン語格言
Finem respice.
語彙と文法 「フィーネム・レスピケ」と読みます。fīnem は「終わり」を意味する第3変化名詞 fīnis,-is c. の単数・対格です。respice は「考慮する、気遣う」を意味する第3変化動詞 respiciō,-ere の命令法・能動態・現在、2人称単数です。「終わりを考慮... -
ラテン語格言
Otia dant vitia. 小人閑居して不善をなす
語彙と文法 「オーティア・ダント・ウィティア」と読みます。ōtia は「閑暇」を意味する第2変化名詞 ōtium,-ī n. の複数・主格です。文の主語です。dant は「与える」を意味する不規則動詞 dō,dare の直説法・能動態・現在、3人称複数です。vitia は「悪徳... -
ラテン語格言
Finem lauda.
語彙と文法 「フィーネム・ラウダー」と読みます。fīnem は「終わり」を意味する第3変化名詞 fīnis,-is c. の単数・対格です。c.はcommon genderの略語で男性名詞、女性名詞の両性で使われます。laudā は「称える」を意味する第1変化動詞 laudō,-āre の命... -
ラテン語格言
Passibus ambiguis Fortuna volubilis errat.
語彙と文法 「パッシブス・アンビグイース・フォルトゥーナ・ウォルービリス・エッラト」と読みます。passibus は「足取り」を意味する第4変化名詞 passus,-ūs m. の複数・奪格です。ambiguis は「不確かな、あやふやな」を意味する第1・第2変化形容詞 amb... -
ラテン語格言
Orare est laborare, laborare est orare.
語彙と文法 「オーラーレ・エスト・ラボーラーレ・ラボーラーレ・エスト・オーラーレ」と読みます。ōrāre は「祈る」を意味する第1変化動詞 ōrō の不定法・能動態・現在です。labōrāre は「働く」を意味する第1変化動詞 labōrō の不定法・能動態・現在です。...