Nemo patriam quia magna est amat, sed quia sua.

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「ネーモー・パトリアム・クィア・マグナ・エスト・アマト・セド・クィア・スア」と読みます。
nēmō は英語の nobody に対応します。変化は次の通りです。

主nēmō 属 nullīus 与 nēminī 対 nēminem 奪 nullō

属格と奪格はnullusから補っています。
patriam は「祖国」を意味する第1変化名詞patria,-ae f.の単数・対格です。
quia は「~だから」。理由を表す従属文を導く接続詞です。この文では、magna est までを支配します。
magna は「大きい」を意味する第1・第2変化形容詞 magnus,-a,-um の女性・単数・主格です。estの主語として想定されるpatria(祖国)と性・数・格が一致します。
estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
amat は「愛する」を意味する第1変化動詞 amō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は Nēmō です。
sed は英語の but に対応し、この文では「むしろ」という意味を表します。
quiaは「~だから」。理由を表す従属文を導きます。省略された語を補うと、quia sua est.(それが自分のものだから)となります。
sua は「自分の」を意味する3人称の所有形容詞 suus,-a,-um の女性・単数・主格です。
「誰も偉大だから祖国を愛するのではなく、それが自分のもの(国)だから愛するのである」という意味になります。
セネカの『倫理書簡集』(66.26)に見られる表現です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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