「ミヌス・メモリアエ・ストゥデーレ」と読みます。
minus は「いっそう少なく」(英語の less)という意味の副詞です。
memoriae は「記憶」を意味する第1変化名詞 memoria,-ae f. の単数与格です。
studēre は「<与格>に精を出す」を意味する第2変化動詞 studeō,-ēre の不定法・能動態・現在です。
「暗記にいっそう少なく精を出すこと」、すなわち「暗記に精を出さなくなること」という意味です。
カエサルの『ガリア戦記』(6.14)に見られる表現です。

キケローも記憶力を磨く必要を次のように述べています。Memoria minuitur nisi eam exerceas.(記憶力はそれを鍛えなければ衰える)と訳せます。『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.21)。
<補足>
ガリアの支配階級ドルイド僧は教育を行う際に文字を用いませんでした。その理由について、カエサル自身次のように分析しています。
彼らがこの制度を設けたのは、私には二つの理由にあるように思われる。すなわち、教えが民衆の間に広まってしまうことを望まないこと、そして学ぶ者たちが文字に頼って記憶の訓練を怠るようになるのを望まないこと、である。というのも、多くの場合、文字という支えがあるために、学習における熱心さと記憶力とを緩めてしまう、ということがたいていの人々に起こるからである。




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