Minus memoriae studere. 暗記に精を出さなくなること

  • URLをコピーしました!

「ミヌス・メモリアエ・ストゥデーレ」と読みます。
minus は「いっそう少なく」(英語の less)という意味の副詞です。
memoriae は「記憶」を意味する第1変化名詞 memoria,-ae f. の単数与格です。
studēre は「<与格>に精を出す」を意味する第2変化動詞 studeō,-ēre の不定法・能動態・現在です。
「暗記にいっそう少なく精を出すこと」、すなわち「暗記に精を出さなくなること」という意味です。
カエサルの『ガリア戦記』(6.14)に見られる表現です。

キケローも記憶力を磨く必要を次のように述べています。Memoria minuitur nisi eam exerceas.(記憶力はそれを鍛えなければ衰える)と訳せます。『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.21)。

<補足>
ガリアの支配階級ドルイド僧は教育を行う際に文字を用いませんでした。その理由について、カエサル自身次のように分析しています。

彼らがこの制度を設けたのは、私には二つの理由にあるように思われる。すなわち、教えが民衆の間に広まってしまうことを望まないこと、そして学ぶ者たちが文字に頼って記憶の訓練を怠るようになるのを望まないこと、である。というのも、多くの場合、文字という支えがあるために、学習における熱心さと記憶力とを緩めてしまう、ということがたいていの人々に起こるからである。

ユリウス・カエサル

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー『神々の本性について』(岩波書店)、ネポース『英雄伝』(講談社学術文庫)、プラウトゥス『カシナ』、テレンティウス『兄弟』、ルクレ―ティウス『事物の本性について』(いずれも京都大学学術出版会)。単著に『ローマ人の名言88』(牧野出版)、『しっかり学ぶ初級ラテン語』、『しっかり身につくラテン語トレーニングブック』、『ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」』(いずれもベレ出版)、『お山の幼稚園で育つ』(世界思想社)。

コメント

コメントする

目次