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ラテン語格言
Hoc tempore obsequium amicos, veritas odium parit.
「ホーク・テンポレ・オプセクゥィウム・アミーコース・ウェーリタース・オディウム・パリト」と読みます。 hōc は「これ」を意味する指示代名詞 hic,haec,hoc の中性・単数・奪格です。temporeにかかります。 tempore は「時、時代」を意味する第3変化名... -
西洋古典
カエサルの文体
キケローは、カエサルの『ガリア戦記』について、その文体を賞賛し(厳密には作中の人物に語らせる形で)「衣服を脱いだ裸体のごとく、あらゆる修辞的装飾を捨て、まっすぐで優美」(nudi enim sunt, recti et venusti, omni ornatu orationis tamquam vest... -
ラテン語格言
Fugaces labuntur anni.
語彙と文法 「フガーケース・ラーブントゥル・アンニー」と読みます。fugācēs は「逃げ足の早い、移ろいやすい」を意味する第3変化形容詞 fugax,-ācis の男性・複数・主格です。annīと性・数・格が一致します。lābuntur は「滑るように進む、流れる、過ぎ... -
ラテン語入門のエッセイ
スキーピオーの風呂
哲人セネカは機会に恵まれ、古代の英雄スキーピオーの別荘に泊まります。没後二五〇年以上経ってからのこと。スキーピオーは宿敵カルタゴを破ったローマの将軍です。 セネカはこの別荘の風呂場を見て感動します。現代の贅を尽くした大浴場と異なる静謐さを... -
ラテン語格言
Necessarium est parvo adsuescere.
「ネケッサーリウム・エスト・パルウォー・アドスエスケレ」と読みます。 necessarium は「必要な」を意味する第一・第二変化形容詞、中性単数主格です。この文の補語になります。 parvo は「少ない、僅かの」を意味する第一・第二変化形容詞 parvus, -a, ... -
ラテン語格言
Tempus omnia revelat.
「テンプス・オムニア・レウェーラト」と読みます。 tempus は「時、時間」を意味する第3変化名詞tempus,-poris n.の単数・主格です。 omnia は「すべて」を意味する第3変化形容詞omnis,-e の中性・複数・対格です。revēlat の目的語です。 revēlat は「明... -
ラテン語入門のエッセイ
Tacens vocem verbaque vultus habet. 沈黙した顔は声と言葉を持つ
オウィディウスの詩句です。無言の表情は雄弁だという逆説です。なぜ無言なのでしょうか。悲しいのか、怒っているのか、それとも感動しているのか。この一文だけでは何もわかりません。いろいろ解釈できる余地が残っています。 これは『恋の技法』の中に見... -
ラテン語入門のエッセイ
Dies dolorem minuit. 月日が苦悩を和らげる
Dies dolorem minuit. 月日が苦悩を和らげる Dies dolorem minuit. これはイギリスの学者ロバート・バートンの言葉として知られます。ラテン語の dies は英語の day に当たります。月日が苦悩を和らげるということは、程度の差こそあれ、誰もが体験を通し... -
ラテン語入門のエッセイ
天声人語
Vox populi vox dei.というラテン語があります(リンク先に文法の説明があります)。 表題をそのまま訳すと「民衆の声は神の声(である)」となります。「天声人語」という表現はこのラテン語を元にしているようです。vox populi が「民の声」、vox dei が...