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西洋古典
『イリアス』の冒頭
『イリアス』とは、トロイアの別名「イリオスの物語」という意味です。第一巻冒頭は次のように始まります。 「怒りを歌え、女神よ、(3)ペレウスの子アキレウスの---アカイア勢(ギリシア勢)に数知れぬ苦難をもたらし、あまた勇士らの猛き魂を冥府の王... -
西洋古典
へーローとレアンドロス
セストスへ来たならば、ヘーローが灯りをかかげた塔を探しておくれ 表題は、岩波ジュニア新書『ギリシア人ローマ人のことば―愛・希望・運命』(中務哲郎・大西英文、1986)から採りました。以下はこの言葉に関する解説です。この本は、西洋古典文学の魅力... -
西洋古典
人間のもつ技術(わざ)はすべてプロメテウスの贈り物
アイスキュロスの『縛られたプロメテウス』の中に出てくる言葉です。プロメテウス(先に知る男)は天上から火を盗み、それを人間に与えたため、ゼウスに罰せられます。劇の中で、プロメテウスは、「人間どものみじめな様子」を哀れに思い、様々な技術を人... -
ラテン語格言
Non progredi est regredi.
語彙と文法 「ノーン・プローグレディー・エスト・レグレディー」と読みます。nōnは「~でない」という副詞です。次のprōgredīを否定します。prōgredīは「前進する」を意味する形式受動態動詞 prōgredior,-gredīの不定法・現在です。nōnとあわせると「前進... -
ラテン語格言
Quid ago? わたしは何をしているのか
語彙と文法 「クゥィド・アゴー」と読みます。quidは「誰、何」を意味する疑問代名詞 quis,quidの中性・単数・対格です。agoは「行う」を意味する第3変化動詞ago,-ereの直説法・能動態・現在、1人称単数です。quidを目的語に取ります。「私は何をしている... -
ラテン語格言
Lupus pilum mutat, non mentem.
「ルプス・ピルム・ムータト・ノーン・メンテム」と読みます。 lupusは「狼」を意味する第2変化名詞 lupus,-ī m.の単数・主格です。文の主語です。 pilumは「毛」を意味する第2変化名詞 pilus,-ī m.の単数・対格です。 mutatは「変える」を意味する第1変化... -
ラテン語入門
『しっかり学ぶ初級ラテン語』の感想
しっかり学ぶ初級ラテン語 (Basic Language Learning Series) 山下 太郎 ベレ出版 Amazonで詳細を見る 会社員の方からメッセージを頂きました(2015年7月10日)。教科書を書いてよかったと心から思いました。 43歳の会社員です。昨年、ふと「ラテン語を勉... -
訳と解説
Fuimus Troes. 栄枯盛衰
語彙と文法 「フイムス・トローエース」と読みます。fuimusは「~である」を意味する不規則動詞sum,esse の直説法・完了、1人称複数です。Trōēsは「トロイア人」を意味する第3変化名詞 Trōs,-ōis m.の複数・主格です。この名詞の複数主格はTrōēs、複数・属... -
ラテン語格言
Tempus fugit.
語彙と文法 「テンプス・フギト」と読みます。tempusは「時、時間」を意味する第3変化名詞tempus,-poris n.の単数・主格です。fugitは「逃げる」を意味する第4変化動詞fugioの直説法・能動態・現在、3人称単数です。「時間は逃げる」と訳せます。ウェルギ...