『しっかり学ぶ初級ラテン語』の感想

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会社員の方からメッセージを頂きました(2015年7月10日)。教科書を書いてよかったと心から思いました。

43歳の会社員です。
昨年、ふと「ラテン語を勉強しよう」と思い立ちました。
しかしながら、ラテン語の参考書は、とにかく敷居の高そうなものしかなく、語学音痴の僕には到底読めそうもありませんでした。
そんな時、本書をたまたま見付けたのです。
昨年の12月から始め、仕事の合間に取り組んだので、8ヵ月掛かりましたが、ようやく読了しました。
初心者向けに大変分かり易く書かれた参考書だと思います。
山下先生の、何とかしてラテン語を理解させようという思いがひしひしと伝わって来ました。
未だ活用も語彙も完全には覚え切れていませんが、これから『ガリア戦記』の原典講読に挑戦しようと思います。
本当にありがとうございました。
これからも、素晴らしいラテン語の参考書を書いて下さい。

教科書+講習会でラテン語を学んでおられる方(quelleさん)から次の感想を頂戴しました(2014年9月6日)。

『しっかり学ぶ初級ラテン語』+ラテン語講習会+α に導かれて

合唱曲の歌詞を理解して歌いたいという気持ちから独習書でラテン語を学び始めて3カ月目。その複雑さに挫折しそうになったときに出会ったのが 山下太郎先生の『しっかり学ぶ初級ラテン語』でした。

大事なところは念を押しながら、まるで授業のように語りかける口調で書かれているこの書に勇気を得て独学を再開しましたが、始めてみるとこの教科書、決して学習者を甘やかしてはくれません。例文や練習問題の文章も大半が名言・格言や名だたる詩人・哲学者・文筆家の作品からの抜粋で、訳そうとしても一筋縄ではゆかないことも折々ありました。でも、だからこそ分かったときには単に文法規則を理解した以上の知的充足感があります。名言の中には実に深く、ドキリとするほど鋭く、或いはつい笑いを誘われるものもあり(因に最近気に入った例文は ”Mendācem memorem esse oportet.” =「嘘つきは記憶がよくないといけない」)この言葉で話したり書いたりしていた人々が何を喜び、どんなことに悩み、何を思いながら暮らしていたのかが想像されてわくわくしてきたものです。そのうえ嬉しいことに、この教科書には充実した二重三重のサポート体勢が整えられていました。

そのひとつは山下先生が運営しておられる「ネット上の参考書」とも言うべき『山下太郎のラテン語入門サイト』です。豊富なコンテンツをもつこのサイトには、教科書を補う形で名詞、動詞、形容詞の変化一覧や追加の練習問題も掲載されていますし、「ラテン語格言集」のセクションでは教科書に出てくる例文の多くが文法の分析も含め丁寧に解説されており、自習をする上でこの上ない助けとなりました。

もうひとつ嬉しかったのは、東京でもラテン語講習会が開かれていたことです。月一度のこの講習会では著者である山下先生ご自身が文法解説をして下さる傍ら、例文の背景や行間の事情、作者についても詳しくお話し下さり、夢中で伺ううちに3時間は瞬く間に過ぎます。講習会のお陰でローマ時代の英雄や詩人や神々が 何やら身近に感じられるようにもなりました。お話しが楽しくて毎回が待ち遠しい反面、1回の範囲は結構広いので「Festīnā lentē(ゆっくり急げ)」をモットーとしながらも講習会が近づくと学生時代を思い出しながら かなり必死で予習しました。

ネット上ではそのほかにも、山下先生のツイッターやFacebookから、またラテン語勉強会のメーリングリストに申し込んでいることで毎日のように届く先輩の皆様方のご研鑽ぶりからも、絶えず限りなく刺激を頂いてきました。分かっても分からなくても一日一回はラテン語に「触れる」こと - 私の場合、これが学習のモティベーションを維持するのに大変効果的であったと思います。メーリスメンバーの皆様には この場をお借りしてお礼申し上げます。

『しっかり学ぶ初級ラテン語』に出会ってからというもの、思いがけずこのように かなり「ラテン語漬け」の、本当に楽しい数ヶ月を過ごして参りました。講習会第6部を先日受講し、曲がりなりにも(1周目の?)「教科書完走」を終えたいま、私のラテン語に対する気持ちが 独学を始めた当初は全く予想もしていなかった変容を遂げており、合唱曲の理解はもちろんのこと 西洋古典文学の原書をいつか読んでみたいという「野心」が頭をもたげるまでになっていることに気がついて、自分でも驚いています。そして何よりも、ラテン語が楽しくて仕方なくなっていることに!

山下先生、ありがとうございました。

教科書を最後まで学んだ人から次のような感想を頂きました(ハンドル名わぎりさん)。学習している人の励みになればと思い、ご本人の許可を得て紹介いたします(2013年11月7日)。

『しっかり学ぶ初級ラテン語』を学び終えて

9月7日に「しっかり学ぶ初級ラテン語」の学習を開始して昨日やっと最後まで到達したから、ちょうど2か月かけて一通りしたことになる。そこで本書の感想を記したい。

多くの人が評するとおり、本当に学習者にとって親切な本だと思う。よい意味であたかも学習参考書のようだというのも頷ける。

本書で親切な点は、独習者かつ初心者に対してあらゆる配慮がなされているところだ。本書の中では、初心者が抱くであろう疑問についてのQ&Aや、ラテン語学習に関するコツが惜しみなく記されている。また、各例文には単語の意味と、例文の文法的構造がわかるような訳が付けてある。

うまい日本語訳にしてしまったのでは例文が文法的に理解できない場合が多いことを考えると、本書での例文と練習問題の訳は学習者にとって非常に有効であったと思う。私も、いったんは難しくて降参した練習問題をなんとか理解できたのは必要かつ十分なヒントに加えて解答の訳によるところが大きい。

あと教科書の巻末に語彙や変化表一覧を掲載せずにネット上に載せたことは、かえって良かったと思う。例文や練習問題に単語の意味が逐一併記されているので、語彙集の必要性は低いからだ。また、私は変化表を9枚の暗記用変化一覧として印刷し、大いに活用している。タブレット端末にも入れている。

もう一つの特色は、大学で使用されるラテン語教科書にある堅苦しさや悪い意味での大学臭さが本書には一切ないにもかかわらず、ラテン語世界の魅力が門外漢にもとてもよく伝わってくる点である。それゆえ私は本書で学習していて大いに歓びを覚え、ラテン語が大好きになった。今後ももっと学びたい。

最初の頃に頂いた感想です。

(1つめ)「しっかり学ぶ初級ラテン語…」を購入してからまだ10日足らずですが(理解したかどうかは別ですが)、もう192ページまで読んできました。好みは十人十色でしょうが、私にとっては、Hic liber mihi optimus est. ってな感じがします。今までになかったようなテキストブックだと実感しているところです。これなら、ラテン語を教養として楽しめる所まではいけそうな気がします。まだ半分しか?、もう半分も?読んだ私の読後感です。まずは、山下先生のこの労作に感謝致します。有難うございます。(2013年8月26日)

(2つめ)『しっかり学ぶ初級ラテン語』は私にとって、誠に良き伴侶となってきました。私のような、やる気は有るけれどラテン語を独学しても、いつもモヤモヤとしては撤退を繰り返してきたものにとっては、正に福音です。また、ネットで著者とリアルタイムで触れ合ったり、ラテン語の格言集を備えたホームページがあったり、月1回の東京での先生の講義があったりと、重層的な自己学習を良好に維持させる仕掛けの準備に感心いたします。(元々、私は先生のホームページの「ラテン語の格言」の1ファンでしたけど…)2回これまでに受けた東京での講義が、上記の著書を手にした事で、正に程よいペースメーカーになっていると実感しているところです。今回の先生のこの本はmagnusで、私にとって価値ある一品であります。

私も肩書きに「ラテン語愛好家」と付けたいです!(2013年9月5日)

皆様のお言葉に感謝します。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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