Lupus pilum mutat, non mentem.

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「ルプス・ピルム・ムータト・ノーン・メンテム」と読みます。
lupusは「狼」を意味する第2変化名詞 lupus,-ī m.の単数・主格です。文の主語です。
pilumは「毛」を意味する第2変化名詞 pilus,-ī m.の単数・対格です。
mutatは「変える」を意味する第1変化動詞 mūtō,-āreの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
nōnは「~でない」を意味する副詞です。省略された動詞mūtatを否定します。
カンマ以下に省略された言葉を補うと、lupus nōn mentem mūtat.となります。
mentemは「心」を意味する第3変化名詞 mens,mentis f.の単数・対格です。mūtatの目的語です。
「狼は毛を変える。心は変えない」と訳せます。
日本語でも「羊の皮をかぶった狼」という表現がありますが、狼が羊の毛で自分の体を覆い欺く、というモチーフは古くイソップにさかのぼります。

イソップ寓話集 (岩波文庫)
イソップ 中務 哲郎
400321031X

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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