Quid ago? わたしは何をしているのか

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ディードー:Quid ago?

語彙と文法

「クゥィド・アゴー」と読みます。
quidは「誰、何」を意味する疑問代名詞 quis,quidの中性・単数・対格です。
agoは「行う」を意味する第3変化動詞ago,-ereの直説法・能動態・現在、1人称単数です。quidを目的語に取ります。
「私は何をしているのか?」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』にみられるディードーのせりふです(Verg.Aen.4.534)。

前後関係

前後関係を知っていただくため、この表現を含む個所をご紹介します。

‘en, quid ago? rursusne procos inrisa priores
experiar, Nomadumque petam conubia supplex, 535
quos ego sim totiens iam dedignata maritos?

「ああ、わたしは何をしているのか。馬鹿にされても昔の求婚者らを
あてにするのか。へりくだってヌミディア人に結婚をお願いするのか。
これまでなんども夫にするのを拒んできたというのに。

誰がどういう状況で言うかで価値が決まるラテン語です。

アエネーイス (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 岡 道男
4876981264

ディードー

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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