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ラテン語格言
Fides, ut anima, unde abiit, eo numquam redit.
「フィデース・ウト・アニマ・ウンデ・アビイット・エオー・ヌンクゥァム・レディイット」と発音します。 fidēs は「信頼」を意味する第5変化名詞 fidēs,-ēī f.の単数・主格で、この文の主語です。 ut は英語の as と同様「~のように」と訳します。 anima... -
訳と解説
「われ憎み、かつ愛す」:カトゥッルス
『ギリシア人・ローマ人のことば』(岩波ジュニア新書)の中に、カトゥッルスの残したことばとして、表題の「われ憎み、かつ愛す」(Odi et amo)が紹介されています。典拠となる85番の詩は、次の2行だけですが、簡潔な表現の中にも、深い恋愛心理の洞察... -
ラテン語格言
Elapsam semel occasionem non ipse potest Juppiter reprehendere.
語彙と文法 「エーラプサム・セメル・オッカーシオーネム・ノーン・イプセ・ポテスト・ユッピテル・レプレヘンデレ」と読みます。ēlapsam は「流れ去る」「失う」を意味する形式受動態動詞ēlabor,-bī の完了分詞、女性・単数・対格です。occāsiōnem にかか... -
西洋古典
人生を演じきる:キケロー『老年について』
キケローは人生を劇に例え、ある場面の役者は自分の役を演じきったら、劇の最後まで残っていてはいけないといいます。この世に於ける自分の役はなになのか?何を演じきることが自分の務めなのか。日頃なかなか立ち止まって考える余裕はありませんが、折を... -
西洋古典
老人は気難しいか:キケロー『老年について』
キケローは『老年について』の中で、老人が気むずかしいという意見について、次のように反論しています。下の引用文の最後に出てくる『兄弟』とはテレンティウスの喜劇作品のことです(西洋古典叢書から私の訳が出ています)。この作品では温厚な老人と気... -
西洋古典
時間は永遠のある部分である:キケロー『想案論』
Tempus est quaedam pars aeternitatis. キケローの言葉です。「時間(tempus)は、永遠の(aeternitatis)ある(quaedam)部分(pars)である。」という意味です。 aeternitas の単数・属格が aeternitatis となります。 自分の生きている時代は、永遠の... -
ラテン語入門のエッセイ
MY LIFE-Expression: 「われ思うゆえにわれあり」とヘレンケラー
デカルトの『方法序説』に出てくる有名な言葉として、「我思う。故に我あり。」というのがあります。ヘレン・ケラーは、この言葉に出会ったとき、自分の肉体的ハンディは自分の本質ではない、本質は自分の心にある、という己の信念を力強く支える言葉に出... -
ラテン語入門
est でラテン語作文
est を使った作文をしましょう。A est. の場合「Aがある」となります。A est B の場合「AはBである」ですが、それはあとまわし。 A est. の例として、Rosa est. (薔薇がある=薔薇が一輪咲いている)。「ロサ・エスト」と発音します。 Rosa の代わりに辞... -
ラテン語入門のエッセイ
videre est credere. 見ることは信じること(再)
videre est credere. 見ることは信じること 表題のバリエーションとして、Vide et crede. (見よ、そして信じよ)というのもあります。日本語に「百聞は一見にしかず」ということわざがありますが、ラテン語にも似た言い回しが見つかります。 pluris est o...