Fides, ut anima, unde abiit, eo numquam redit.

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「フィデース・ウト・アニマ・ウンデ・アビイット・エオー・ヌンクゥァム・レディイット」と発音します。
fidēs は「信頼」を意味する第5変化名詞 fidēs,-ēī f.の単数・主格で、この文の主語です。
ut は英語の as と同様「~のように」と訳します。
anima は「魂」を意味する第1変化名詞 anima,-ae f.の単数・主格です。ut とあわせて「魂のように」と訳せます。
unde は関係副詞で、「そこから~ところの」を意味します。
abiit とは、「立ち去る」を意味する abeō,-īre の直説法・能動態・完了、3人称単数。
eō は「そこに」を意味する副詞です。先行するundeで導かれる従属文(「それがそこから立ち去ったところ」)を受けます。
「それがそこから(unde)立ち去った(abiit)ところの(unde)そこに(eō)」。
numquam は「けっして~ない。」英語のnever と同じで、reditを否定します。
redit はredeō,-īre (戻る)の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「信頼は、魂と同様に、そこから立ち去ったところの、そこに(=元の場所に)けっして戻らない」と訳せます。
プーブリリウス・シュルス『格言集』162の言葉です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 弊社は2008年に社名をFidesに変更しました。
    創業者は、信頼は一瞬にして失い、二度と戻らない、との遺言を残しました。
    その言葉を経営理念とし、社名を2008年に変更しました。
    Fides, ut anima, unde abiit, eo numquam redit.このラテン語、
    社名を考えた時に発見し、まさしく創業者と同じ言葉だと、
    直ちに社名をFidesに変更しました。
    素晴らしい社名を付けたと、誇りに思っています。
    ただし、日本人にはフィデスのフィが聞き取れないらしく、イですか?とか、電話ではよく聞き返されます。
    パリのマドレーヌ寺院にフィデスの女神様がいらっしゃいますので、
    今年は全社員で礼拝に参りたいと思っています。
    フィデスの女神様に関する何らかの情報がありましたら、お聞かせください。

    • fidēs(フィデース)の意味は、1信頼、信用 2信義 3誠実、正直、ですが、この単語は女性名詞なので、この一語だけで「信頼の女神」を意味します。ローマ神話に出てくる女神です。なんとかの女神と呼ばれる女神はしばしばラテン語の女性名詞です(正義の女神、勝利の女神、等)。

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