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論文・翻訳
『農耕詩』における独創性の問題
『農耕詩』における独創性の問題 山下太郎 序章 ウェルギリウス(前70―前19)の『農耕詩』は、2188行からなる教訓詩であるが、そのうち約半分は、農耕の教えとは一見無関係とも思えるような「脱線話」(ディグレッション)から成り立っている(1)。とくに、... -
論文・翻訳
THE UNITY OF TERENCE’S ADELPHOE
THE UNITY OF TERENCE'S ADELPHOE Taro Yamashita Kyoto Institute of Technology Matsugasaki, 606 Kyoto, Japan 1 The Adelphoe is commonly regarded as the best of Terence's six plays1. Whether this estimation is proper or not, its concluding ... -
論文・翻訳
Virgil’s Georgics: A mission for a man living in civilization (summary)
A Summary Virgil's Georgics: A mission for a man living in civilization Taro YAMASHITA It is well recognized that civilization is one of the main themes of the Georgics. This paper, paying attention to two key words in the Georgics, l... -
論文・翻訳
The Image of Gold in Classical Antiquity: The Theme of Golden Age in Lucretius and Virgil
The Image of Gold in Classical Antiquity:The Theme of Golden Age in Lucretius and Virgil Taro YAMASHITA 1. In Works and Days, the golden race (109) lived like gods, free from care (112). The bounteous earth provided all their needs (117-... -
論文・翻訳
ウェルギリウスの歴史叙述-『アエネイス』第6巻の解釈を中心として-
ウェルギリウスの歴史叙述-『アエネイス』第6巻の解釈を中心として- 1 はじめに 『アエネイス』第6巻の冒頭において,主人公アエネアスはヘレヌスの指示した通り(3.453ff.),シビュッラの予言を求めてアポロの神殿に赴く(6.9ff.).詩人はここでいっ... -
論文・翻訳
『農耕詩』の独創性-「アリスタエウス物語」の解釈をめぐって-
ウェルギリウス(以下Verg.)の『農耕詩』(以下Geo.)第4巻後半のいわゆる「アリスタエウス物語」(4.315-558)ではおよそ次のような物語が語られている (1).牧人アリスタエウスは飼っていた蜜蜂を失い、母キュレネに不平を浴びせたところ、「全てを知る... -
西洋古典
誰も死ぬまでは幸福ではない
誰も死ぬまでは幸福ではない この言葉はヘロドトス『歴史』第一巻32に見られるソロンの言葉です。さっそく文脈を紹介しましょう。 リュディア王アリュアッテスの死後、その子クロイソスが35歳で王位を継いだ。彼はアテナイの賢者ソロンに世界でもっと... -
英語とラテン語
現代に生きる古典語(3)
現代に生きる古典語(3) 「自立するということ」 日本語にすると固い言葉、意味のよくわからない言葉であっても、対応する英語の語源を探ると、意味の鮮明になるケースというのが結構あります。 今回は、最近よく耳にする「自立」という言葉を取り上げた... -
英語とラテン語
現代に生きる古典語(2)
現代に生きる古典語(2) 前回は英語の「スクール」という語が、ギリシア語で「暇」を意味することや、日本語の「教育」に相当する英語の「エデュケーション」の本来の意味(引き出す)などをご紹介しました。 では昔のギリシア人は「暇な」学校で何をし...