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西洋古典
「酒を飲んで憂いを吹き飛ばせ」:ホラーティウス
『詩集』3.30と同様、1.7にも、「他人は他人、自分は自分」とする詩人の強い自負心が描かれています。 VII Laudabunt alii claram Rhodon aut Mytilenen aut Ephesum bimarisve Corinthi moenia vel Baccho Thebas vel Apolline Delphos insignis aut Thes... -
西洋古典
「移り気な女に」:ホラーティウス
ホラーティウスの『詩集』1.5を紹介します。 Quis multa gracilis te puer in rosa perfusus liquidis urget odoribus grato, Pyrrha, sub antro? cui flauam religas comam, simplex munditiis? Heu quotiens fidem 5 mutatosque deos flebit et aspera n... -
訳と解説
「青ざめた死は」:ホラーティウス
ホラーティウス『詩集』1.4は、内容的には、「『運命』は、公平な法則によって、秀でた者にも低い者にも同じ分け前を与える」と述べた『詩集』(3.1)と共通する主題を扱っています。 IV Soluitur acris hiems grata vice veris et Favoni trahuntque sicc... -
西洋古典
「禁じられた非道の行い」:ホラーティウス
ホラーティウスの『詩集』から詩(C.1.3)と訳をご紹介します。 Sic te diva potens Cypri, sic fratres Helenae, lucida sidera, ventorumque regat pater obstrictis aliis praeter Iapyga, navis, quae tibi creditum 5 debes Vergilium; finibus Attic... -
訳と解説
「私は星々に触れる」:ホラーティウス
ホラーティウスの『詩集』から、詩(1.1)と訳をご紹介します。 Maecenas atavis edite regibus, o et praesidium et dulce decus meum, sunt quos curriculo pulverem Olympicum collegisse iuvat metaque fervidis evitata rotis palmaque nobilis 5 ter... -
西洋古典
エコーとナルキッソス:オウィディウス
エコーってご存じですね(カラオケにあらず)。手元の『ギリシア神話小事典』(バーナード・エヴスリン、小林稔訳、教養文庫)を見ますと、 「心の優しいニンフで、ゼウスがヘラの監視から逃れるのを助けた。女神のヘラはこのことを聞いて怒り、エコーが自... -
西洋古典
『変身物語』におけるケパロスとプロクリス
自らの悲しみを語るケパロス オウィディウスが『変身物語』で伝えるケパロスとプロクリスのエピソードをご紹介します(引用は中村善也訳)。 導入部:「ポコスが目に留めたのは、ケパロスが見知らぬ木からつくられた槍を手にしていることだった。その穂先... -
西洋古典
「ピュラモスとティスベ」:オウィディウス
以下は、オウィディウスの『変身物語』の伝えるエピソードです(中村善也訳)。ロミオとジュリエットとよく似た話ですね。 「無類の美青年ピュラモスと、これも『東方』だいいちの美女ティスベ--このふたりが、隣り合わせの家に住んでいたのです。セミラミ... -
西洋古典
この空も飛べる:オウィディウス
オウィディウスは、翼を発明したダイダロスについて、次のようなエピソードを語っています(『変身物語』巻八、中村善也訳) (略)そうするうちにも、ダイダロスは、クレタと、長い亡命生活とにいや気がさし、しきりに郷愁を誘われてはいたが、いかんせん...