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人生を演じきる:キケロー『老年について』
キケローは人生を劇に例え、ある場面の役者は自分の役を演じきったら、劇の最後まで残っていてはいけないといいます。この世に於ける自分の役はなになのか?何を演じきることが自分の務めなのか。日頃なかなか立ち止まって考える余裕はありませんが、折を... -
老人は気難しいか:キケロー『老年について』
キケローは『老年について』の中で、老人が気むずかしいという意見について、次のように反論しています。下の引用文の最後に出てくる『兄弟』とはテレンティウスの喜劇作品のことです(西洋古典叢書から私の訳が出ています)。この作品では温厚な老人と気... -
時間は永遠のある部分である:キケロー『想案論』
Tempus est quaedam pars aeternitatis. キケローの言葉です。「時間(tempus)は、永遠の(aeternitatis)ある(quaedam)部分(pars)である。」という意味です。 aeternitas の単数・属格が aeternitatis となります。 自分の生きている時代は、永遠の... -
MY LIFE-Expression: 「われ思うゆえにわれあり」とヘレンケラー
デカルトの『方法序説』に出てくる有名な言葉として、「我思う。故に我あり。」というのがあります。ヘレン・ケラーは、この言葉に出会ったとき、自分の肉体的ハンディは自分の本質ではない、本質は自分の心にある、という己の信念を力強く支える言葉に出...