Non quis sed quid.

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語彙と文法

「ノーン・クゥィス・セド・クゥィド」と読みます。
Nōnは「~でない」。quisを否定します。Nōn A sed Bで「AでなくB」を表します。
quisは疑問代名詞quis,quid(誰が、何が)の男性・単数・主格です。Nōn quisで「誰がでなく」。
sedは「むしろ」。
quidは疑問代名詞quis,quid(誰が、何が)の中性・単数・主格です。sed quidで「むしろ何が」。
あわせると、「誰がでなく何が」と訳せます。
言葉がかなり省略されています。
日本語で前後を補って訳すと、たとえば、「「誰が」(言ったか)でなく「何が」(言われているか)が重要である」となるでしょう。
権威におもねることなく、真実を追究する姿勢を称揚する言葉です。
サウスウェスタン大学 (テキサス州)の校訓です。
同じ趣旨のことを伝える簡潔な表現として、キケローのIpse dixit.(彼が言った)があります。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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