ラテン語入門

第2変化名詞

2018年10月5日

第2変化名詞

第2変化名詞の最重要ポイントとは?

第1変化名詞の次は第2変化名詞を覚えましょう。

第1変化名詞の合言葉は、「ロサ、ロサエ」(単数・主格と単数・属格)。第2変化の合言葉は、「アミークス・アミーキー」と「ウェルブム・ウェルビー」。何のことかピンとくる方は以下の説明は読まなくても大丈夫です。

ラテン語の名詞学習の最重要ポイントは、単数・主格と単数・属格を覚えることです。アミーキーもウェルビーも語尾が「イー」と伸びます。このパターンが第2変化名詞の特徴です。第2変化名詞には男性名詞と中性名詞があり、細かく見ると変化の仕方に「違い」はあります。しかし、単数・属格はどちらも「イー」の音で終わります。これが他の変化形との違いであり、第2変化名詞のアイデンティティです。

第2変化名詞は二種類ある

第2変化名詞は、単数・主格が-us で終わる男性名詞と -um で終わる中性名詞に大別できます。それぞれの変化を順に見ていきましょう。

(1)-us で終わる男性名詞

amīcus「友」(アミークス)の変化を紹介します。

単数 複数
主格 amīcus amīcī
呼格 amīce amīcī
属格 amīcī amīcōrum
与格 amīcō amīcīs
対格 amīcum amīcōs
奪格 amīcō amīcīs

単数の発音は、 「アミークス・アミーケ・アミーキー・アミーコー・アミークム・アミーコー」となります。 複数は「アミーキー・アミーキー・アミーコールム・アミーキース・アミーコース・アミーキース」です。 何度もこの順で発音し、暗記してください。 そのさい、複数・属格のみ、アクセントの位置が変わっていますので気をつけます。

また、第2変化名詞の場合、呼格主格と異なります。 これは第2変化名詞の単数だけの特徴です。これも注意してください。 例:「主よ!」はdomine(ドミネ)、「ブルータスよ!」はBrute(ブルーテ)となります。有名な「ブルータスよ、おまえもか」のラテン文は、Et tū, Brūte?(エト・トゥー・ブルーテ)です。

一点補足します。単数・主格の語尾が-iusや-iumとなる第2変化名詞の場合、単数・呼格が-ieでなく-ī となります。語尾の-ie が約音し-īになるためです。また、単数・属格も-iīとせず-īとする場合が多いです。

Vergilī. ウェルギリウスよ。
(Vergilius,-iī m. ウェルギリウス)

Vergilius(ウェルギリウス)はローマを代表する詩人の名前ですが、つづりを見ればわかるとおり、-usで終わる第2変化名詞です。これと同じくfīlius(息子)の単数・呼格もfīlieでなくfīlīです。ちなみに単数・属格も、語尾の-iīが-īと約音されfīlīになる場合もあるのでご注意下さい(時代や作家の好み等でばらつきがあります)。なお、アクセントの位置は約音しても、しない場合と変わりません。Ver-gi-li-īもVer-gi-līも、ともにgiの音節にアクセントがつきます。

(2)-umで終わる中性名詞

verbum(ウェルブム)のように単語の語尾が -um で終わる名詞があります。 単数属格は上にあげた amīcus (-us で終わる男性名詞)と同じく語尾は -i です。 この共通性が示す通り、どちらも第2変化名詞のグループに属します。

verbum「言葉」(中性名詞)の変化を紹介します。

単数 複数
主・呼格 verbum verba
属格 verbī verbōrum
与格 verbō verbīs
対格 verbum verba
奪格 verbō verbīs

単数の発音は、「ウェルブム・ウェルビー・ウェルボー・ウェルブム・ウェルボー」です。 複数は「ウェルバ・ウェルボールム・ウェルビース・ウェルバ・ウェルビース」となります。

ここでまた大事なことをお話しします。 中性名詞は主格と対格が同じ形ということです。また複数形の主格と対格はともに-aで終わります(verba のように)。

第2変化名詞の補足(単数・主格が-er で終わるもの)

単数 複数
主格(呼格) puer puerī
属格 puerī puerōrum
与格 puerō puerīs
対格 puerum puerōs
奪格 puerō puerīs

このタイプに属する例:

  • gener,-erī m. むこ
  • socer,-erī m. 義父
  • vesper,-erī m. 夕方
  • vir,virī m. 男、英雄
単数 複数
主格(呼格) ager agrī
属格 agrī agrōrum
与格 agrō agrīs
対格 agrum agrōs
奪格 agrō agrīs

このタイプに属する例:

  • liber,-brī m. 本
  • magister,-trī m. 先生
  • minister,-trī m. 召使い

deus(神)の変化

単数 複数
主格 deus deī, diī, dī
呼格 deus, dīve deī, diī, dī
属格 deī deōrum,deum
与格 deō deīs,diīs,dīs
対格 deum deōs
奪格 deō deīs,diīs,dīs

第2変化名詞の例文

第2変化名詞を使ったラテン語の表現をいくつかご紹介します。リンク先に詳しい説明があります。

  1. Asinus in tēgulīs. Petr.63
  2. 屋根の上のろば。

  3. Alcinoō pōma dare. Ov.Pont.4.2.10
  4. アルキノウスに果実を与えること。

  5. Arma virumque canō. Verg.Aen.1.1
  6. 私は戦いと英雄を歌う。
    Barba nōn facit philosophum.髭は哲学者を作らない。

  7. Cultūra autem animī philosophia est. Cic.Tusc.2.13
  8. 精神を耕すことが哲学である。

  9. Facta, nōn verba.
  10. 言葉でなく行動。

  11. Et arma et verba vulnerant.
  12. 武器と言葉は傷つける。

  13. Exempla docent, nōn jubent.
  14. 模範は教えるが、命令しない。

  15. Verba volant, scripta manent.
  16. 言葉は飛ぶが、文字は残る。

  17. Vērum cūr nōn audīmus? Quia nōn dīcimus.
  18. 我々は真実をなぜ聞かぬのか?我々が話さないからだ。

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