第3変化形容詞を用いた例文を紹介します。
Agnosco veteris vestigia flammae.
「アグノスコー・ウェテリス・ウェステーギア・フラッマエ」と読みます。
agnoscoは「認める」を意味する第3変化動詞、直説法・能動態・現在、1人称単数です。
veterisは「古い」を意味する第3変化形容詞、vetusの女性・単数・属格です。flammaeにかかります。
vestigiaは「痕跡、名残」を意味する第2変化中性名詞vestigiumの複数・対格です。
flammaeは「炎」を意味する第1変化名詞flammaの単数・属格です。
「私は昔の(恋の)炎の名残を認める」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(4.23)。
Moderātī et nec difficilēs nec inhūmānī senēs tolerābilem senectūtem agunt.
「モデラーティー・エト・ディッフィキレース・ネク・インフーマーニー・セネース・トレラービレム・セネクトゥーテム・アグント」と読みます。
moderatiは「節度のある」を意味する第1・第2変化形容詞moderatus,-a,-umの男性・複数・主格です。senesにかかります。
difficilesは「気むずかしい」を意味する第3変化形容詞difficilisの男性・複数・主格です。
inhumaniは「不人情な」を意味する第1・第2変化形容詞inhumanus,-a,-umの男性・複数・主格です。
senesは「老人」を意味する第3変化名詞senex,senis の複数・主格です。
tolerabilemは「耐えられる」を意味する第3変化形容詞tolerabilisの女性・単数・対格です。
senectutemは「老年」を意味する第3変化名詞senectus,-utis の単数・対格です。
aguntは「送る、過ごす」を意味する第3変化動詞agoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「節度があり気むずかしくも不人情でもない老人は、耐えられる老年を送る」と訳せます。
キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.7)。
Praesentem virīs intentant omnia mortem.
「プラエセンテム・ウィリース・インテンタント・オムニア・モルテム」と読みます。
praesentemは「目の前にある」を意味する第3変化形容詞praesens,-entis の男性・単数・対格です。mortemにかかります。
virisは「男」を意味する第2変化名詞virの複数・与格です。
intentantは「つきつける」を意味する第1変化動詞intentoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
omniaは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnisの中性・複数・主格です。この文では名詞として用いられ、「すべてのものが」と訳せます。文脈を加味すると「すべての事象が」と訳してもよいです。
mortemは「死」を意味する第3変化名詞morsの単数・対格です。intentantの直接目的語です。
「すべて(の事象)が男たちに目の前の死をつきつけていた」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Aen.1.91)。