直説法・能動態・未来完了の例文

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完了幹(amōの場合はamāv-)に-erō, -eris, -erit, -erimus, -eritis, -erintを加えます。

Ubi Romam advenies, epistulam scripsero.
「ウビ・ローマム・アドウェニエース・エピストゥラム・スクリプセロー」と読みます。
ubiは「~する時に」を意味する接続詞です。
RomamはRomaの単数・対格です。
adveniesは「到着する」を意味する第4変化動詞advenioの直説法・能動態・未来、2人称単数です。
epistulamは「手紙」を意味する第1変化名詞epistulaの単数・対格です。
scripseroは「書く」を意味する第3変化動詞scriboの直説法・能動態・未来完了、1人称単数です。
「あなたがローマに着く頃には、私は手紙を書き終えているだろう」と訳せます。

Qui sapienter vixerit aequo animo morietur. 
「クゥィー・サピエンテル・ウィークセリト・アエクゥォー・アニモー・モリエートゥル」と読みます。
quiは関係代名詞、男性・単数・主格です。先行詞は省かれています。
sapienterは「賢明に」を意味する副詞です。
vixeritは「生きる」を意味する第3変化動詞vivoの直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。
aequoは「平静な」を意味する第1・第2変化形容詞aequus,-a,-umの男性・単数・奪格です。
morieturは「死ぬ」を意味する形式受動態動詞moriorの直説法・受動態・未来、3人称単数です。
「賢明に生きた人は平静な心で死ぬだろう」と訳せます。

Ea vitia qui fugerit, is omnia fere vitia vitaverit.
「エア・ウィティア・フーゲリト・イス・オムニア・フェレー・ウィティア・ウィーターウェリト」と読みます。
eaは「その」を意味する指示形容詞is,ea,idの中性・複数・対格です。
vitiaは「欠点」を意味する第2変化名詞vitiumの複数・対格です。
quiは関係代名詞、男性・単数・主格です。
fugeritは「逃れる」を意味する第3変化動詞fugioの直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。先行詞はisです。
isは「それ」を意味する指示代名詞is,ea,idの男性・単数・主格です。この文では「その人は」を意味します。
omniaは「すべての」を意味する第3変化形容詞 omnis の中性・複数・対格です。
fereは「ほとんど」を意味する副詞です。
vitiaは「欠点」を意味する第2変化名詞vitiumの複数・対格です。
vitaveritは「避ける」を意味する第1変化動詞vitoの直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。
「その欠点を逃れた者はほとんどすべての欠点を避けることができよう」と訳せます。
キケローの『弁論家』に見られる言葉です(Cic.Or.231)。

Qui prior strinxerit ferrum, ejus victoria erit.
「クゥィー・プリオル・ストリンクセリト・フェッルム・エイユス・ウィクトーリア・エリト」と読みます。
quiは関係代名詞、男性・単数・主格です。先行詞はejusです。
priorはprimus(最初の)の比較級、男性・単数・主格です。この文では副詞的に使われ、「先に」と訳します。
strinxeritは「抜く」を意味する第3変化動詞stringoの直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。
ferrumは「剣」を意味する第2変化名詞ferrumの単数・対格です。
ejusは「それ」を意味する指示代名詞is,ea,idの男性・単数・属格です。この文では3人称単数の人称代名詞の代わりとして使われています。
victoriaは「勝利」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
eritは「~がある」を意味する不規則動詞sumの直説法・能動態・未来、3人称単数です。
「勝利は先に剣を抜いた者のものとなるだろう」と訳せます。
「先に剣を抜いた者が、勝利を手にするだろう」という意味です。
リーウィウスの言葉です(Liv.24.38)。

Carmina tum melius, cum venerit ipse, canemus.
「カルミナ・トゥム・メリウス・クム・ウェーネリト・イプセ・カネームス」と読みます。
carminaは「歌」を意味する第3変化名詞carmenの複数・対格です。
tumは「そのとき」を意味する副詞です。
meliusは「よりよく」を意味する副詞です。
cumは「~するときに」と意味する接続詞です。
veneritは「来る」を意味する第4変化動詞venioの直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。
ipseは「~自身」を意味する強意代名詞ipse,ipsa,ipsumの男性・単数・主格です。
canemusは「歌う」を意味する第3変化動詞canoの直説法・能動態・未来、1人称複数です。
「彼自身がやって来たら、私たちはもっと上手に歌を歌うだろう」と訳せます。
ウェルギリウスの『牧歌』に見られる表現です(Verg.Ecl.9.67)。

Si haec in animo cogitare voles, et mihi et tibi et illis dempseris molestiam.
「シー・ハエク・イン・アニモー・コーギターレ・ウォレース・エト・ミヒ・エト・ティビ・エト・イッリース・デンプセリス・モレスティアム」と読みます。
siは「もしも」を意味する接続詞です。
haecは「これ」を意味する指示代名詞hic,haec,hocの中性・複数・対格です。
animoは「心」を意味する第2変化名詞animusの単数・奪格です。
cogitareは「考える」を意味する第1変化動詞cogitoの不定法・能動態・現在です。
volesは「望む」を意味する不規則動詞voloの直説法・能動態・未来、2人称単数です。
mihiはego(私)の与格です。
tibiはtu(あなた)の与格です。
illisは「あれ」を意味する指示代名詞ille,illa,illudの男性(女性)・複数・与格です。この文では3人称複数の人称代名詞の代わりとして用いられています。
dempserisは「<与格>から<対格>を取り去る」を意味する第3変化動詞demoの直説法・能動態・未来完了、2人称単数です。
molestiamは「厄介ごと」を意味する第1変化名詞molestiaの単数・対格です。
「もしあなたがこれらのことを心の中で考えることを望むなら、私やあなた、そして彼らから厄介ごとを取り除いてしまうだろう」と訳せます。
テレンティウスの『兄弟』に見られる表現です(Ter.Ad.817-819)。

Nisi deus istis te corporis custodiis liberaverit, huc tibi aditus patere non potest.
「ニシ・デウス・イスティース・テー・コルポリス・クストーディイース・リーベラーウェリト・フーク・ティビ・アディトゥス・パテーレ・ノーン・ポテスト」と読みます。
nisiは「もし~でなければ」を意味する接続詞です。
deusは「神」を意味する第2変化名詞、単数・主格です。
istisは「その」を意味する指示形容詞iste,ista,istudの女性・複数・奪格です。
teは2人称の人称代名詞、単数・対格です。
corporisは「身体」を意味する第3変化名詞corpusの単数・属格です。
custodiisは「牢獄」を意味する第1変化名詞custodiaの複数・奪格です。
liberaveritは「解放する」を意味する第1変化動詞liberoの直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。
hucは「ここに」を意味する副詞です。
tibiは2人称の人称代名詞、単数・与格です。
aditusは「入り口」を意味する第4変化名詞、単数・主格です。
patereは「開く」を意味する第2変化動詞pateoの不定法・能動態・現在です。
potestは「~することが可能である」を意味する不規則動詞possumの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「もし神がおまえをその身体の牢獄から解放した時でなければ、ここへの入り口がおまえのために開くことはあり得ない」と訳せます。
キケローの『国家について』に見られる表現です(Cic.Rep.6.15)。

Nisi credideritis, non intellegetis.
「ニシ・クレーディデリティス・ノーン・インテッレゲーティス」と読みます。
nisiは「もし~でなければ」を意味する接続詞です。
credideritisは「信じる」を意味する第3変化動詞credoの直説法・能動態・未来完了、2人称複数です。
intellegetisは「理解する」を意味する第3変化動詞 intellegoの直説法・能動態・未来、2人称複数です。
「あなたたちは信じてしまわないかぎり、理解することはないだろう」と訳せます。

Si ad nos veneris, consilium totius rei capiemus.
「シー・アド・ノース・ウェーネリス・コンシリウム・トーティーウス・レイ・カピエームス」と読みます。
siは「もし」を意味する接続詞です。
adは「<対格>に」を意味する前置詞です。
nosは1人称の人称代名詞、複数・対格です。
venerisは「来る」を意味する第4変化動詞venioの直説法・能動態・未来完了、2人称単数です。
consiliumは「決定」を意味する第2変化名詞、単数・対格です。
totiusは「全体の」を意味する代名詞的形容詞totus,-a,-umの女性・単数・属格です。
reiは「問題」を意味する第5変化名詞resの単数・属格です。
capiemusは「取る、つかむ」を意味する第3変化B動詞capioの直説法・能動態・未来、1人称複数です。
consilium capiemusは「私たちは決定を行う」を意味します。
「あなたが私たちのところに来るなら、私たちはその問題全体に対する決定を行うだろう」と訳せます。
キケローの『アッティクス宛書簡集』に見られる言葉です(Cic.Att.3.2)。

Spem, cum in otium venerimus, habere volumus.
「スペム・クム・イン・オーティウム・ウェーネリムス・ハベーレ・ウォルムス」と読みます。
spemは「希望」を意味する第5変化名詞spesの単数・対格です。
cumは「~するとき」を意味する接続詞です。
inは「<対格>に」を意味する前置詞です。
otiumは「暇」を意味する第2変化名詞otiumの単数・対格です。
venerimusは「来る」を意味する第4変化動詞venioの直接王・能動態・未来完了、1人称複数です。
in otium venireは「暇の中に来ること」ですが、「暇になること」を意味します。
habereは「持つ」を意味する第2変化動詞habeoの不定法・能動態・現在です。
volumusは「望む、願う」を意味する不規則動詞voloの直説法・能動態・現在、1人称複数です。
「我々は暇になってしまうと希望を持ちたいと願う」と訳せます。
キケローの『アッティクス宛書簡集』に見られる言葉です(Cic.Att.1.7)。

Igitur, alte spectare si voles atque hanc sedem et aeternam domum contueri, neque te sermonibus vulgi dederis nec in praemiis humanis spem posueris rerum tuarum!
「イギトゥル・アルテー・スペクターレ・シー・ウォレース・アトクゥェ・ハンク・セデム・エト・アエテルナム・ドムム・コントゥエーリー・ネクゥェ・テー・セルモーニブス・ウルギー・デデリス・ネク・イン・プラエミイース・フーマーニース・スペム・ポスエリス・レールム・トゥアールム」と読みます。
igiturは「それゆえ」を意味する接続詞です。
alteは「高く」を意味する副詞です。
spectareは「眺める」を意味する第1変化動詞spectoの不定法・能動態・現在です。
si は「もし」を意味する接続詞です。
volesは「望む、欲する」を意味する不規則動詞voloの直説法・能動態・未来です。
atqueは「そして」を意味する接続詞です。
hancは「この」を意味する指示形容詞hic,haec,hocの女性・単数・対格です。
sedemは「住居」を意味する第3変化名詞sedesの単数・対格です。
aeternamは「永遠の」を意味する第1・第2変化形容詞aeternus,-a,-umの女性・単数・対格です。
domumは「館」を意味する第4変化名詞domusの単数・対格です。
contueriは「観察する」を意味する形式受動態動詞contueorの不定法・受動態・現在です。
sermonibusは「噂話」を意味する第3変化名詞sermoの複数・与格です。
vulgiは「民衆」を意味する第2変化名詞vulgusの単数・属格です。
dederisは「与える」を意味する不規則動詞doの直説法・能動態・未来完了、2人称単数です。この未来完了は、命令の意味を帯びた表現として使われています。
praemiisは「褒賞」を意味する第2変化名詞praemiumの複数・奪格です。
humanisは「人間の」を意味する第1・第2変化形容詞humanus,-a,-umの中性・複数・奪格です。
spemは「希望」を意味する第5変化名詞spesの単数・対格です。
posuerisは「置く」を意味する第3変化動詞ponoの直説法・能動態・未来完了、2人称単数です。
rerumは第5変化名詞resの複数・属格です。
tuarumは2人称単数の所有代名詞tuus,-a,-umの女性・複数・属格です。
「それゆえ、もしあなたが(天)高く眺め、この住居と永遠の館を観察することを欲するなら、あなたは自分を民衆の噂話の中に与えることのないように、また、自分の業績についての希望を人間の褒賞の中に置くことのないようにせよ」と訳せます。
キケローの『国家について』に見られる表現です(Cic.Rep.6.25)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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