「エト・トゥー・ブルーテ」と読みます。
et は「~もまた」を意味します。次にくる語を強調し、et A で「Aもまた」という意味を表します。
tū は2人称単数の人称代名詞、主格です。Et tūで「おまえも(・・・するのか)」というニュアンスです。
Brūte は 第2変化名詞 Brūtus,-ī m. (人名)の単数・呼格です。
ラテン語の名詞は第2変化の男性名詞の単数に限り、主格と呼格の形が異なります(語尾が-eになる)。
「おまえもか、ブルートゥスよ」と訳せます。
シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』に出てくる台詞です。
我が国では「ブルータスよおまえもか」の訳で知られます。
この文には動詞が省略されています。前後関係を考慮すると、「私を殺すのか」ということでしょう。その場合、Et tū necās (mē)? となります。
カエサルの最後の言葉として、Tū quoque, mī fīlī?(おまえもか、わが息子よ)という表現も伝わります。
Tūは2人称単数の人称代名詞、主格です。quoqueは「~もまた」を意味します。mīは1人称単数の所有形容詞meus,-a,-um(私の)の男性・単数・呼格でfīlīにかかります。fīlīは「息子」を意味する第2変化名詞 fīlius,-ī m.の単数・呼格です。
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コメント
コメント一覧 (3件)
(2017.1.11)
哲学や歴史、世界の文化に興味を持っており、偶然、貴ウェブサイトを拝見しました。福岡県の下川と申します。
もし、差し支えなければ質問をしたいのです。
芸術と哲学、と言う場合
英文法のA & Bと同様に、ラテン語でも
“ars et philosophia”でも良いのでしょうか。
もし、ご回答いただけますと幸いです。
下川様
ご質問の件ですが、「芸術と哲学」は、お考え下さったとおり、ラテン語でars et philosophia と表現できます。
[…] 第2変化の男性名詞(単数)の例:Et tū, Brūte? (ブルートゥスよ、おまえもか) […]