ラテン語の第3変化名詞

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第3変化名詞

第3変化名詞には子音幹名詞とi幹名詞の2種類があります。

覚えるべき変化表は4つあります。「子音幹名詞」としてhomō(人間)と genus(種類)、「i幹名詞」としてignis(火)とanimal(動物)です。

第3変化男性名詞(子音幹名詞)homō(人間)

単数複数
主・呼格homōhominēs
属格hominishominum
与格hominīhominibus
対格hominemhominēs
奪格hominehominibus

単数の発音は、「モー・ミニス・ミニー・ミネム・ホミネ」となります。 複数は「ミネース・ミヌム・ミニブス・ミネース・ミニブス」です。

第3変化の特徴は、単数主格について、さまざまの語尾がみられることでしょう。 言い換えれば、この特徴が第3変化の学習を難しく見せています。ここで挫折する人が多いです。 第1・第2変化名詞は、単数・主格、すなわち、辞書の見出しの形が明確です。 第3変化の場合、よりによって、辞書の見出しの形(単数・主格)が一定の形ではありません。 たとえば、homō(c.ホモー)「人間」、genus(n.ゲヌス)「種類」、ignis(m.イグニス)「火」、animal(n.アニマル)「動物」はいずれも第3変化名詞ですが、 ごらんのように単数・主格の語尾はさまざまです。x で終わったり、us でおわったり・・・。

また、の点でも、第1変化女性第2変化男性(語尾が-us)か中性(語尾が-um)といった特色がありますが、 第3変化はすべての性がまんべんなく現れます。 ちなみに、第4変化は男性と中性、第5変化は女性です。 昔から言うように、「習うより慣れよ」の精神で乗り越えてください。

しかし、ここでぜひ押さえておきたい重要なポイントがあります。それは単数・属格が -isで終わる点です。lēxの単数・属格は lēgis、genusはgeneris、ignisはignisです。辞書の見出しの右横にこの単数・属格の形が記されています。

>>「第3変化名詞の調べ方

第3変化中性名詞(子音幹名詞)genus(種類)

単数複数
主格(呼格)genusgenera
属格generisgenerum
与格generīgeneribus
対格genusgenera
奪格generegeneribus

中性名詞は単数、複数の両方とも主格と対格が同じ形になること、また、複数の主格と対格が-a で終わっていることを確認して下さい。

第3変化名詞(i幹名詞)ignis(火)

単数複数
主格(呼格)ignisignēs
属格ignisignium
与格ignīignibus
対格ignemignēs(-īs)
奪格igne(-ī)ignibus

※複数・属格の形に注意します。

第3変化中性名詞(i幹名詞)(生き物)

単数複数
主格(呼格)animalanimālia
属格animālisanimālium
与格animālīanimālibus
対格animalanimālia
奪格animālīanimālibus

animalは中性名詞ということで、verbum(言葉)など第2変化の中性名詞と同じく、格変化には次の特徴が認められます。
1 単複とも主格(呼格)と対格が同じ形になる。
2 複数の主格(呼格)と対格は -aで終わる。

練習問題

ここまでの内容をカバーした「第3変化名詞の練習問題」に挑戦しましょう。書き取りなのでパソコンからの挑戦がベターです。

第3変化名詞の例文

Vēritās vincit. 真理は勝利する。

Pax Rōmāna. ローマの平和。

Varietās dēlectat. 多様性は喜ばせる。

Ignis aurum probat; miseria fortēs virōs. 悲惨な出来事は真の勇者を証明する。

Amīcitia reddit honōrēs. 友情は名誉を生む。

Fīnis corōnat opus. 結末が作品を花冠で飾る。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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