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再帰代名詞
1人称、2人称の再帰代名詞
一つの文の中で主語と同じものを指すことを再帰と呼びます。1人称、2人称は人称代名詞から補います。
- Mē laudō.
- Tē laudās.
- Nōbīs crēdimus.
私は自分自身をほめる。
あなたはあなた自身をほめる。
我々は自分自身を信じる。
再帰代名詞の3人称
再帰代名詞の3人称には独自の形があります。主格はなく、単複同形です。辞書の見出しはsuīです。
主格 | ― |
属格 | suī |
与格 | sibi |
対格 | sē |
奪格 | sē |
別形として与格にはsibīの形(語末のīは長い)、対格と奪格にはsēsēもあります。
3人称の再帰代名詞の例文
- Nōn sibi, sed patriae.
- Multī nostrum sē amant.
- Sapiens sibi imperat.
- Sē quisque fugit. Lucr.3.1068
- Cum sēsē vincit sapiens, minimē vincitur.
自分のためでなく祖国のために。
我々の多くは自分を愛する。
主語はmultī(多くの人)で、sēはこのmultīを指しています(主語を指すので「再帰的」と呼ばれる)。sēはamantの目的語として、再帰代名詞の男性・複数・対格とみなせます。なお、nostrum は人称代名詞nōs の属格です(「部分の属格」)。
賢者は自らに命令する。
主語はsapiens(賢者)で、再帰代名詞sibi(男性・単数・与格)は主語自身を指します。動詞 imperōは「<与格>に命令する」という構文を取るため、与格のsibiが使われています。
誰もが皆自分自身から逃れようとする。
賢者が己に打ち勝つ時、彼は少しも征服されていない。