再帰代名詞

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再帰代名詞

1人称、2人称の再帰代名詞

一つの文の中で主語と同じものを指すことを再帰と呼びます。1人称、2人称は人称代名詞から補います。

  • laudō.
  • 私は自分自身をほめる。

  • laudās.
  • あなたはあなた自身をほめる。

  • Nōbīs crēdimus.
  • 我々は自分自身を信じる。

再帰代名詞の3人称

再帰代名詞の3人称には独自の形があります。主格はなく、単複同形です。辞書の見出しはsuīです。

主格
属格 suī
与格 sibi
対格
奪格

別形として与格にはsibīの形(語末のīは長い)、対格と奪格にはsēsēもあります。

3人称の再帰代名詞の例文

  • Nōn sibi, sed patriae.
  • 自分のためでなく祖国のために。

  • Multī nostrum amant.
  • 我々の多くは自分を愛する。

    主語はmultī(多くの人)で、sēはこのmultīを指しています(主語を指すので「再帰的」と呼ばれる)。sēはamantの目的語として、再帰代名詞の男性・複数・対格とみなせます。なお、nostrum は人称代名詞nōs の属格です(「部分の属格」)。

  • Sapiens sibi imperat.
  • 賢者は自らに命令する。

    主語はsapiens(賢者)で、再帰代名詞sibi(男性・単数・与格)は主語自身を指します。動詞 imperōは「<与格>に命令する」という構文を取るため、与格のsibiが使われています。

  • quisque fugit. Lucr.3.1068
  • 誰もが皆自分自身から逃れようとする。

  • Cum sēsē vincit sapiens, minimē vincitur.
  • 賢者が己に打ち勝つ時、彼は少しも征服されていない。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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