「ウィータ・ブレウィス・アルス・ロンガ」と読みます。
vita は「人生、生命」を意味する第一変化名詞 vita の単数主格です。
brevis は「短い」を意味する第三変化形容詞 brevis の女性・単数・主格です。
前半、後半共に動詞の est (・・・である)が省略されています。
「人生は短い」というのが前半の訳です。
arsは「技術」を意味する第三変化女性名詞、単数・主格です。
longa は「長い」を意味する第一・第二変化形容詞 longus, -a, -um の女性・単数・主格です。後半は「技術は長い」となります。
全体をまとめると、「人生は短く、技術(医術、芸術)は長い」という意味です。
ヒポクラテス『箴言』1.1に出てくるギリシア語の表現が元にあります。そこで「長い」と言われているテクネーは「医術」のことで、習得には長い年月がかかるということです。
セネカ『人生の短さについて』(De brevitate vitae) にこの表現(Vita brevis, ars longa.)が見られます。
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コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 「人生は短く、学芸は長い(Vita brevis, ars longa.)」ということわざがあります。ここでいうarsは芸術でもあり、技術でもあります。この言葉を残したヒポクラテスは医学の創始者ですから、医術でもあるわけです。 […]
[…] 「芸術」に関する英語の格言に、Art is long, life is short. というのがあります。一般に「芸術は長し、人生は短し」と訳されます。出典はギリシアの医学者ヒッポクラテスの言葉とされ、そのラテン語訳が Ars longa, vīta brevis. (アルス・ロンガ・ウィータ・ブレウィス)です(→ Vita brevis, ars longa.)。 […]