Spectatum veniunt, veniunt spectentur ut ipsae.

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語彙と文法

「スペクタートゥム・ウェニウント・ウェニウント・スペクテントゥル・ウト・イプサエ」と読みます。
spectātumは「見る」を意味する第1変化動詞spectō,-āre の目的分詞(スピーヌム)です(spectōの完了分詞、中性・単数・対格)。
「見るために」という意味を表します。
veniuntは「来る」を意味する第4変化動詞veniō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
spectenturはspectō,-āre の接続法・受動態・現在、3人称複数です。
utは目的を表す従属文を導く接続詞です。
ipsaeは動詞veniuntとspectenturに対する主語に当たる強意代名詞で、ipse,-a,-um の女性・複数・主格です。「彼女たち自身は」と訳せます。
「彼女たち自身は(芝居を)見るために来る。(そして)自分たち自身が見られるために来る」と訳せます。
女性が着飾って芝居を見に来るのは、芝居以外に目的があるということを暗示する詩句です。
オウィディウスの『恋の技術』(Ars amatoria 1.99)に見られる表現です。

恋愛指南―アルス・アマトリア (岩波文庫)
オウィディウス Ovidius
4003212037

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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