不定代名詞の例文

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aliquis (m.f.) 誰かある人 aliquid (n.) 何かあるもの

男性 女性 中性
単数・主格(呼格) aliquis aliquis aliquid
   属格 alicūjus alicūjus alicūjus
   与格 alicuī alicuī alicuī
   対格 aliquem aliquem aliquid
   奪格 aliquō aliquō aliquō
複数・主格(呼格) aliquī aliquae aliqua
   属格 aliquōrum aliquārum aliquōrum
   与格 aliquibus aliquibus aliquibus
   対格 aliquōs aliquās aliqua
   奪格 aliquibus aliquibus aliquibus

aliquī、aliqua、aliquod ある、何かある(不定形容詞)
男性 女性 中性
単数・主格(呼格) aliquī aliqua aliquod
   属格 alicūjus alicūjus alicūjus
   与格 alicuī alicuī alicuī
   対格 aliquem aliquam aliquod
   奪格 aliquō aliquā aliquō
aliquisはsīなどの後ではali-を取ったquisの形で代用されます。

Aliquis ex vobis crystallinum fregit. 
「アリクゥィス・エクス・ウォービース・クリュスタッリヌム・フレーギト」と読みます。
aliquisは「誰か」を意味する不定代名詞、男性・単数・主格です。
exは「<奪格>のうち」を意味する前置詞です。
vobisは2人称の人称代名詞、複数・奪格です。
crystallinumは「水晶の器」を意味する第2変化名詞、単数・対格です。
fregitは「壊す」を意味する第3変化動詞frangoの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
「あなたたちのうち誰かが水晶の器を壊した」と訳せます。

Declamabam cum aliquo cotidie.
「デークラーマーバム・クム・アリクゥォー・コティディエー」と読みます。
declamabamは「弁論の練習をする」を意味する第1変化動詞declamoの直説法・能動態・未完了過去、1人称単数です。
cumは「<奪格>とともに」を意味する前置詞です。
aliquoは「誰か」を意味する不定代名詞aliquisの男性・単数・奪格です。
cotidieは「毎日」を意味する副詞です。
「私は毎日誰かと弁論の練習をした」と訳せます。
キケローの『ブルートゥス』に見られる表現です(Cic.Brut.310)。

Solve metus; feret haec aliquam tibi fama salutem.
「ソルウェ・メトゥース・フェレト・ハエク・アリクゥァム・ティビ・ファーマ・サルーテム」と読みます。
solveは「解く」を意味する第3変化動詞solvoの命令法・能動態・現在、2人称単数です。
metusは「恐れ」を意味する第4変化名詞metusの複数・対格です。
feretは「もたらす」を意味する不規則動詞feroの直説法・能動態・未来、3人称単数です。
haecは「この」を意味する指示形容詞hicの女性・単数・主格です。famaにかかります。
aliquamは「何らかの」を意味する不定形容詞aliqui,aliqua,aliquodの女性・単数・対格です。
tibiは2人称の人称代名詞、単数・与格です。
famaは「名声」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
salutemは「救済」を意味する第3変化名詞salusの単数・対格です。
「恐れを解け。この名声はおまえに何らかの救済をもたらすだろう」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.1.463)。

Semper aliquid novi Africa affert.
「センペル・アリクゥィド・ノウィー・アーフリカ・アッフェルト」と読みます。
semperは「いつも」を意味する副詞です。
aliquidは「誰か、何か」を意味する不定代名詞aliquis,aliquidの中性・単数・対格です。
noviは「新しい」を意味する第1・第2変化形容詞novus,-a,-umの中性・単数・属格です。名詞として使われ、「新しいもの」を意味します。
aliquid noviは「新しいものの何か」と訳せますが、「何か新しいもの」を意味します。
affertは不規則動詞(合成動詞)affero(ad+fero)の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「アフリカはいつも何か新しいものをもたらす」と訳せます。
大プリーニウスの『博物誌』に見られる表現です(N.H.8.17)。

Si qua pios respectant numina,… 
「シ・クゥァー・ピオース・レスペクタント・ヌーミナ」と読みます。
siは「もしも」を意味する接続詞です。
quaはaliquaのことですが、siの後ではali-の取れた形が見られます。aliqua(誰かの、何らかの)は不定形容詞aliqui,aliqua,aliquodの中性・複数・主格です。numinaにかかります。
piosは「敬虔な」を意味する第1・第2変化形容詞pius,-a,-umの男性・複数・対格です。
respectantは「重んじる」を意味する第1変化動詞respectoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
numinaは「神の力」を意味する第3変化中性名詞numenの複数・主格です。
「もし何らかの神の力が敬虔な者たちを重んじるのなら」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.1.603)。

Quod si te in judicium quis adducat,…
「クゥォド・シー・テー・イン・ユーディキウム・クゥィス・アッドゥーカト」と読みます。
quod siは「だがもし」を意味する接続詞です。
teは2人称の人称代名詞tuの対格です。
judiciumは「法廷」を意味する第2変化中性名詞、単数・対格です。
quisはsiの後に用いられる場合aliquis(誰か)の代用として現れる形です(男性・単数・主格)。
adducatは「連れて行く」を意味する第3変化動詞adducoの接続法・能動態・現在、3人称単数です。
「だがもし誰かがおまえを法廷に連れて行く(訴える)なら」と訳せます。

Dixerat ille aliquid magnum vimque adfore verbo crediderat.
「ディークセラト・イッレ・アリクゥィド・マグヌム・ウィムクゥェ・アドフォレ・ウェルボー・クレーディデラト」と読みます。
dixeratは「言う」を意味する第3変化動詞dicoの直説法・能動態・過去完了、3人称単数です。
illeは「それ、あれ」を意味する指示代名詞ille,illa,illudの男性・単数・主格です。この文では3人称単数の人称題名の代わりとして遣われています。
aliquidは「誰か、何か」を意味する不定代名詞aliquis,aliquidの中性・単数・対格です。adforeの意味上の主語です。
magnumは「大きな」を意味する第1・第2変化形容詞magnus,-a,-umの中性・単数・対格です。
vimは「力」を意味する第3変化名詞visの単数・対格です。
adforeは「そこにある、宿る」を意味する不規則動詞(合成動詞)assumの不定法・能動態・未来です。
verboは「言葉」を意味する第2変化名詞verbumの単数・与格です。
credideratは「信じる」を意味する第3変化動詞credoの直説法・能動態・過去完了、3人称単数です。
「彼は(それまで)何か大きなことを言っていた(大言壮語を口にした)し、言葉には力がある(宿る)だろうと信じてもいた」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.10.547-548)。

Potest igitur exercitatio et temperantia in senectute conservare aliquid pristini roboris.
「ポテスト・イギトゥル・エクセルキターティオー・エト・テンペランティア・イン・セネクトゥーテ・コンセルウァーレ・アリクゥィド・プリスティーニー・ローボリス」と読みます。
potestは「~できる」を意味する不規則動詞possumの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
igiturは「それゆえ」を意味する接続詞です。
exercitatioは「鍛錬」を意味する第3変化名詞、単数・主格です。
temperantiaは「節制」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
senectuteは「老年」を意味する第3変化名詞senectusの単数・奪格です。
conservareは「保つ」を意味する第1変化動詞conservoの不定法・能動態・現在です。
aliquidは「誰か、何か」を意味する不定代名詞aliquis,aliqua,aliquidの中性・単数・対格です。
pristiniは「かつての」を意味する第1・第2変化形容詞pristinus,-a,-umの中性・単数・属格です。
roborisは「頑強さ」を意味する第3変化名詞roborの単数・属格です。
「それゆえ老年における鍛錬と節制は、かつての頑強さの幾ばくかを保つことができる」と訳せます。
キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.34)。

Quis non rusticorum aliqua de causis naturalibus quaerit?
「クゥィス・ノーン・ルスティコールム・アリクゥァ・デー・カウシース・ナートゥーラーリブス・クゥァエシト」と読みます。
quisは「誰が」を意味する疑問代名詞、男性・単数・主格です。
rusticorumは「農夫」を意味する第2変化名詞rusticusの複数・属格です。この属格は「~のうちの」を表す「部分の属格」です。
aliquaは「誰か、何か」を意味する不定代名詞aliquis,aliqua,aliquidの中性・複数・対格です。
deは「<奪格>について」を意味する前置詞です。
causisは「原因」を意味する第1変化名詞causaの複数・奪格です。
naturalibusは「自然の」を意味する第3変化形容詞naturalis,-eの女性・複数・奪格です。
quaeritは「探求する」を意味する第3変化動詞quaeroの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「農夫らのうち誰が自然現象の原因について何かを探求しないだろうか」と訳せます。
クインティリアーヌスの『弁論家の教育』に見られる表現です(Quint.1.16)。

quisquam 誰も、誰か quuidquam 何も、何か

Cur nunc tua quisquam vertere jussa potest?
「クール・ヌンク・トゥア・クゥィスクゥァム・ウェルテレ・ユッサ・ポテスト」と読みます。
curは「なぜ」を意味する疑問副詞です。
nuncは「今」を意味する副詞です。
tuaは「あなたの」を意味する所有形容詞tuus,-a,-umの中性・複数・対格です。
quisquamは「誰か」を意味する不定代名詞、男性・単数・主格です。
vertereは「覆す」を意味する第3変化動詞vertoの不定法・能動態・現在です。
jussaは「命令」を意味する第2変化中性名詞jussumの複数・対格です。
potestは「<不定法>ができる」を意味する不規則動詞possumの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「どうして今あなたの命令を覆すことのできる者が誰かいるでしょうか」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.10.34-35)。

Si animadversum esset, quemquam ad hostes transfugere conari,
「シー・アニマドウェルスム・エッセト・クゥェムクゥァム・アド・ホステース・トランスフゲレ・コーナーリー」と読みます。
animadversumは「気づく、知る」を意味する第3変化動詞animadvertoの完了分詞、中性・単数・主格です。
essetは不規則動詞sumの接続法・能動態・未完了過去です。完了分詞とともに接続法・受動態・過去完了を作ります。Siとともに過去の事実に反する仮定を行います。
quemquamは「誰か」を意味する不定代名詞quisquamの男性・単数・対格です。transfugereの意味上の主語になります(対格不定法)。
hostesは「敵」を意味する第3変化名詞hostisの複数・対格です。
transfugereは「寝返る」を意味する第3変化動詞transfugioの不定法・能動態・現在です。
conariは「<不定法>を企てる」を意味する形式受動態動詞conorの不定補・受動態・現在です。
「もし誰かが敵に寝返ろうとしていると知られたなら」と訳せます。
ネポースの『英雄伝』(アゲシラウス)に見られる表現です(Nep.Ages.6)。

Non illum ullae moenibus urbes accepere.
「ノーン・イッルム・ウッラエ・モエニブス・ウルベース・アッケーペーレ」と読みます。
illumは「あれ」を意味する指示代名詞ille,illa,illud の男性・単数・対格です。この文では3人称単数の人称代名詞の代わりとして使われています。「彼を」と訳します。
ullaeは「いかなる~も」を意味する代名詞的形容詞ullus,-a,-umの女性・複数・主格です。
urbesは「都市」を意味する第3変化名詞urbsの複数・主格です。
accepereは「受け入れる」を意味する第3変化動詞accipioの直説法・能動態・完了、3人称複数です(acceperuntの別形)。
「どの都市も彼を城の中に受け入れなかった」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.11.567-568)。

Nec vero criminibus falsis in odium aut invidiam quemquam vocabit.
「ネク・ウェーロー・クリーミニブス・ファルシース・イン・オディウム・アウト・インウィディアム・クゥェムクゥァム・ウォカービト」と読みます。
necは「また~ない」という意味を持つ接続詞です。
veroは「実際」を意味する副詞です。
criminibusは「罪」を意味する第3変化名詞crimenの複数・奪格です。
falsisは「偽りの」を意味する第1・第2変化形容詞falsus,-a,-umの中性・複数・奪格です。criminibusにかかります。
odiumは「憎しみ」を意味する第2変化中性名詞、単数・対格です。
invidiamは「恨み」を意味する第1変化名詞invidiaの単数・対格です。
quemquamは「誰か」を意味する不定代名詞quisquamの男性・単数・対格です。「誰かを」と訳します。
vocabitは「呼ぶ、導く」を意味する第1変化動詞vocoの直説法・能動態・未来、3人称単数です。
「また実際彼は、偽りの罪によって誰をも憎しみや恨みの中に導かないだろう」と訳せます。
キケローの『義務について』に見られる表現です(Cic.Off.1.86)。

Est bonus, ut melior vir non alius quisquam.
「エスト・ボヌス・ウト・メリオル・ウィル・ノーン・アリウス・クゥィスクゥァム」と読みます。
bonusは「立派な」を意味する第1・第2変化形容詞bonus,-a,-umの男性・単数・主格です。
utは「~ほどに」を意味する副詞です。
meliorはbonus(よい)の比較級、男性・単数・主格です。
virは「男、人」を意味する第2変化名詞、単数・主格です。
aliusは「他の」を意味する代名詞的形容詞alius,-a,-ud の男性・単数・主格です。
quisquamは「誰か、何か」を意味する不定代名詞quisquam,quidquamの男性・単数・主格です。英語のany, anyoneに相当します。
「彼は立派である、他の誰もがそれ以上立派な人間になれぬほどに」と訳せます。
ホラーティウスの『風刺詩』に見られる表現です(Sat.1.3.32-33)。

Nec quisquam ex agmine tanto audet adire virum.
「ネク・クゥィスクゥァム・エクス・アグミネ・タントー・アウデト・アディーレ・ウィルム」と読みます。
necは「そして~ない」を意味する接続詞です。
quisquamは「誰か、何か」を意味する不定代名詞quisquam,quidquamの男性・単数・主格です。
exは「<奪格>から」を意味する前置詞です。
agmineは「群衆」を意味する第3変化名詞agmenの単数・奪格です。
tantoは「これほど多くの」を意味する第1・第2変化形容詞tantus,-a,-umの中性・単数・奪格です。
audetは「あえて~しようとする」を意味する第2変化動詞audeoの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
adireは「立ち向かう」を意味する不規則動詞(合成動詞)adeoの不定法・能動態・現在です。
virumは「男」を意味する第2変化名詞virの単数・対格です。
「そしてこれほど多くの群衆の中から誰1人あえてその男に立ち向かおうとする者はない」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.5.378-379)。

quīdam quaedam quiddam ある人、あるもの

Quibusdam Andriorum persuasit.
「クゥィブスダム・アンドリオールム・ペルスゥァーシト」と読みます。
quibusdamは「ある人、あるもの」を意味する不定代名詞quidam,quaedam,quiddamの男性・複数・与格です。
Andriorumは「アンドロス島の住人」を意味する第2変化複数名詞 Andriiの複数・属格です。quibusdamにかかります。
persuasitは「<与格>を説得する」を意味する第2変化動詞persuadeoの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
「彼はアンドロス島の住人のある者たちを説得した」と訳せます。
リーウィウスの『ローマ建国以来の歴史』に見られる表現です(Liv.31.45)。

Excedunt urbe quidam, alii mortem sibi consciscunt.
「エクスケードゥント・ウルベ・クゥィーダム・アリイー・モルテム・シビ・コンスキウント」と読みます。
exceduntは「出る」を意味する第3変化動詞excedoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
urbeは「都市」を意味する第3変化名詞urbsの単数・奪格です。
quidamは「ある人、ある物」を意味する不定代名詞quidam,quaedam,quiddamの男性・複数・主格です。
aliiは「別の」を意味する第1・第2変化形容詞alius,-a,-ud の男性・複数・主格です。この文では名詞として使われています。「別の者たちは」と訳します。
mortemは「死」を意味する第3変化名詞morsの単数・対格です。
sibiは3人称の再帰代名詞の与格です。
consciscuntは「<与格>に課す」を意味する第3変化動詞consciscoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。consciscereはsibiと合わせ、「自殺する」という意味になります。
「ある者たちは都市から出て行く。別の者たちは自殺する」と訳せます。
リーウィウスの『ローマ建国以来の歴史』に見られる表現です(Liv.45.10)。

Quodsi ex tanto latrocinio iste unus tolletur, videbimur fortasse ad breve quoddam tempus cura et metu esse relevati.
「クゥォドシー・エクス・タントー・ラトローキニオー・イステ・ウーヌス・トッレートゥル・ウィデービムル・フォルタッセ・アド・ブレウェ・クゥォッダム・テンプス・クーラー・エト・メトゥー・エッセ・レレウァーティー」と読みます。
quodsiは「だがもし」を意味する接続詞です。
exは「<奪格>から」を意味する前置詞です。
tantoは「これだけ大きな」を意味する第1・第2変化形容詞tantus,-a,-umの中性・単数・奪格です。
latrocinioは「窃盗団」を意味する第2変化中性名詞latrociniumの単数・奪格です。
isteは「(2人称に関わる)その」を意味する指示形容詞iste,ista,istudの男性・単数・主格です。unusにかかります。
unusは「一人の、一つの」を意味する代名詞的形容詞unus,-a,-umの男性・単数・主格です。この文では名詞的に「一人」を意味します。
tolleturは「追い出す」を意味する第3変化動詞tolloの直説法・受動態・未来、3人称単数です。
videbimurは「見る」を意味する第2変化動詞videoの直説法・受動態・未来、1人称複数です。「我々は<不定法>を行うようにみなされるだろう」という構文を取ります。
fortasseは「おそらく」を意味する副詞です。
adは対格支配の前置詞で、時間に関して「~に、~まで」を意味します。
breveは「短い」を意味する第3変化形容詞brevis,-eの中性・単数・対格です。
quoddamは「或る」を意味する不定形容詞quidam,quaedam,quoddamの中性・単数・対格です。
tempusは「時、期間」を意味する第3変化中性名詞tempusの単数・対格です。
ad breve quoddam tempusで「ある短い期間に」を意味します。
curaは「心労」を意味する第1変化名詞curaの単数・奪格です。
metuは「恐怖」を意味する第4変化名詞metusの単数・奪格です。
esse relevatiは「解放する」を意味する第1変化動詞relevoの不定法・受動態・完了です。完了分詞relevati(男性・複数・主格)はvidebimurから想定される主語nos(1人称複数の人称代名詞)と性・数・格を一致させています。
「だがもしこれだけ大きな盗賊団からその者1人が追い出される(だけ)なら、我々はおそらくある短い期間のみ心労と恐怖から解放されたとみなされる(だけ)だろう」と訳せます。
キケローの『カティリーナ弾劾』に見られる表現です(Cic.Cat.1.31)。

quisque(m.f.)各人誰でも quidque(n.)めいめい何でも

Quinto quoque anno Sicilia tota censetur.
「クゥィントー・クゥォークゥェ・アッノー・シキリア・トータ・ケンセートゥル」と読みます。
quintoは「5番目の」を意味する数詞quintus,-a,-umの男性・単数・奪格です。annoにかかります。
quoqueは「各々の」を意味する不定形容詞quisque,quaeque,quodqueの男性・単数・奪格です。annoにかかります。
annoは「年」を意味する第2変化男性名詞annusの単数・奪格です。
quinto quoque annoで「5年目ごとに」を意味します。
totaは「全体の」を意味する代名詞的形容詞totus,-a,-umの女性・単数・主格です。Sicilia(シキリア)にかかります。
censeturは「戸口調査を行う」を意味する第2変化動詞censeoの直説法・受動態・現在、3人称単数です。
「5年目ごとに(=4年に1度)シキリア全土で戸口調査が行われる」と訳せます。
キケローの『ウェッレース弾劾』に見られる表現です(Cic.Verr.2.139)。

Stat sua cuique dies.
各々に自分の(運命の)日が定まっている。(Verg.Aen.10.467)

quīvīs quaevīs quidvīs 誰でも、何でも

Aliī sunt, quī quidvis perpetiantur, cuivis dēserviant.
「アリイー・スント・クゥィー・クゥィドウィース・ペルペティアントゥル・クイーウィース・デーセルウィアント」と読みます。
aliiは「他の」を意味する代名詞的形容詞alius,-a,-ud の男性・複数・主格です。「ある者たちは」と訳します。
suntは「いる」を意味する不規則動詞sumの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
quiは関係代名詞、男性・複数・主格です。先行詞はaliiです。
quidvisは「誰でも、何でも」を意味する不定代名詞quivis,quaevis,quidvisの中性・単数・対格です。
perpetianturは「耐え抜く」を意味する形式受動態動詞perpetiorの直説法・受動態・現在、3人称複数です。
cuivisは「誰でも、何でも」を意味する不定代名詞quivis,quaevis,quidvisの男性・単数・与格です。
deserviantは「<与格>に熱心に仕える」を意味する第4変化動詞deservioの直説法・受動態・現在、3人称複数です。
「何であれ耐え抜き、誰であれ熱心に仕えるような別の者たちもいる」と訳せます。
キケローの『義務について』に見られる表現です(Cic.Off.1.109)。

Itaque ad quemvis numerum ephippiatorum equitum quamvis pauci adire audent.
「イタウゥェ・アド・クゥェムウィース・ヌメルム・エピッピアートールム・エクゥィトゥム・クゥァムウィース・パウキー・アディーレ・アウデント」と読みます。
itaqueは「それゆえ」を意味する副詞です。
quemvisは「誰でも、何でも」を意味する不定形容詞quivis,quaevis,quodvisの男性・単数・対格です。
numerumは「数」を意味する第2変化名詞numerusの単数・対格です。
ephippiaorumは「鞍をつけた」を意味する第1・第2変化形容詞ephippiatus,-a,-umの男性・複数・属格です。
equitumは「騎兵」を意味する第3変化名詞equesの複数・属格です。
quamvisは「いかに~であれ」を意味する副詞です。
pauciは「少ない」を意味する第1・第2変化形容詞paucus,-a,-umの男性・複数・主格です。
adīreは「ad +<対格>に攻撃する」を意味する不規則動詞(合成動詞)の不定法・能動態・現在です。
audentは「<不定法>を躊躇せずに行う」を意味する第2変化動詞audeoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「それゆえ鞍をつけた(敵の)騎兵の数が何であれ、自分たちがいかに少数であれ、彼らは攻撃することを躊躇しない」と訳せます。
カエサルの『ガリア戦記』に見られる表現です(Caes.B.G.4.2)。

Abs quovis homine beneficium accipere gaudes.
「アプス・クゥォーウィース・ホミネ・ベネフィキウム・アッキペレ・ガウデース」と読みます。
absは「<奪格>から」を意味する前置詞です。
quovisは「誰でも、何でも」を意味する不定形容詞quivis,quaevis,quodvisの男性・単数・奪格です。
homineは「人」を意味する第3変化名詞homoの単数・奪格です。
beneficiumは「助け」を意味する第2変化中性名詞beneficiumの単数・対格です。
accipereは「受け取る」を意味する第3変化動詞accipioの不定法・能動態・現在です。
gaudesは「<不定法>を喜ぶ」を意味する第2変化動詞gaudeoの直説法・能動態・現在、2人称単数です。
「どんな人からであれ助けを受けることをあなたは喜ぶ」と訳せます。
テレンティウスの『兄弟』に見られる表現です(Ter.Ad.254)。

Cujusvis opes volebat contra illius potentiam crescere.
「クイユスウィース・オペース・ウォレーバト・コントラー・イッリーウス・ポテンティアム・クレスケレ」と読みます。
cujusvisは「誰でも、何でも」を意味する不定代名詞quivis,quaevis,quidvisの男性・単数・属格です。
opesは「権力」を意味する第3変化名詞opsの複数・対格です。crescereの意味上の主語です(対格不定法)。
volebatは「望む」を意味する不規則動詞voloの直説法・能動態・未完了過去、3人称単数です。
contraは「<対格>に対して」を意味する前置詞です。
illiusは「それ、あれ」を意味する指示代名詞ille,illa,illudの男性・単数・属格です。「かの者の」と訳します(名詞的用法)。
potentiamは「権勢」を意味する第1変化名詞potentiaの単数・対格です。
crescereは「大きくなる」を意味する第3変化動詞crescoの不定法・能動態・現在です。
「彼は、誰であれその者の権力が、かの者(主語と別人)の権勢に対抗し大きくなることを望んでいた」と訳せます。
サッルスティウスの『カティリーナ戦記』に見られる表現です(Sall.Cat.17)。

Statuit quovis modo inceptum perficere.
「スタトゥイト・クゥォーウィース・モドー・インケプトゥム・ペルフィケレ」と読みます。
statuitは「決意する」を意味する第3変化動詞statuoの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
quovisは「誰でも、何でも」を意味する不定形容詞quivis,quaevis,quodvisの男性・単数・奪格です。
modoは「方法」を意味する第2変化名詞modusの単数・奪格です。
inceptumは「試み」を意味する第2変化中性名詞inceptumの単数・対格です。
perficereは「なし遂げる」を意味する第3変化動詞perficioの不定法・能動態・現在です。
「彼は、どのような方法によってでも、試みをなし遂げようと決意した」と訳せます。
サッルスティウスの『ユグルタ戦記』に見られる表現です(Sall.Jug.11.9)。

Cujusvis hominis est errare.
「クイユスウィース・ホミニス・エスト・エッラーレ」と読みます。
cujusvisは「誰でも、何でも」を意味する不定形容詞quivis,quaevis,quodvisの男性・単数・属格です。
hominisは「人」を意味する第3変化名詞homoの単数・属格です(属格の述語的用法)。
errareは「間違う」を意味する第1変化動詞erroの不定法・能動態・現在です。
「間違うことはどのような人間にも見られることだ」と訳せます。
キケローの『ピリッピカ』に見られる表現です(Cic.Phil.12.5)。

しっかり学ぶ初級ラテン語

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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