直説法・能動態・未完了過去

  • URLをコピーしました!
目次

直説法・能動態・未完了過去

未完了過去は、動作が過去において継続されていた、ないしは反復されていた事実を表します。英語の過去進行形と重なります。「~していた」、「~であった」、「~しつつあった」、「~するところであった」と訳せます。

規則変化動詞の未完了過去

未完了過去(直説法・能動態)の活用は次のとおりです。

第1変化第2変化第3変化第4変化
単数1人称amā-ba-mvidē-ba-magē-ba-maudiē-ba-m
2人称amā-bā-svidē-bā-sagē-bā-saudiē-bā-s
3人称amā-ba-tvidē-ba-tagē-ba-taudiē-ba-t
複数1人称amā-bā-musvidē-bā-musagē-bā-musaudiē-bā-mus
2人称amā-bā-tisvidē-bā-tisagē-bā-tisaudiē-bā-tis
3人称amā-ba-ntvidē-ba-ntagē-ba-ntaudiē-ba-nt
  • 「未完了過去」の時制は、動作が過去において継続されていた、ないしは反復されていたというニュアンスを表します。
  • 「・・・していた。」、「・・・であった。」という日本語で訳せます。
  • 第1変化の読み方は、「アマーバム、アマーバース、アーバット、アマーバームス、アマーバーティス、アマーバント」。
  • 第2変化の読み方は、「モネーバム、モネーバース、モネーバット、モネーバームス、モネーバーティス、モネーバント」。
  • 第3変化の読み方は、「アゲーバム、アゲーバース、アゲーバット、アゲーバームス、アゲーバーティス、アゲーバント」。
  • 第4変化の読み方は、「アウディエーバム、アウディエーバース、アウディーバット、アウディエーバームス、アウディエーバーティス、アウディエーバント」。
  • いずれも、下線部にアクセントがつきます。
  • 活用を暗記したら、「ラテン語検定試験」の「直説法・能動相・未完了過去」の問題に挑戦してみましょう。>>ためしにやってみる

不規則動詞の未完了過去

sum (~である)の変化は次の通りです。読み方は単数から順に、「ラム、ラース、ラット」、複数は「エラームス、エラーティス、ラント」となります。

単数複数
1人称eramerāmus
2人称erāserātis
3人称eraterant

eo (行く)の変化は次の通りです。読み方は単数から順に、「イーバム、イーバース、イーバト」、複数は「イーバームス、イーバーティス、イーバント」です。

単数複数
1人称ībamībāmus
2人称ībāsībātis
3人称ībatībant

その他の不規則動詞の未完了過去

dō(与える): dabam, dabās, dabat, dabāmus, dabātis, dabant
ferō(運ぶ): ferēbam, ferēbās, ferēbat, ferēbāmus, ferēbātis, ferēbant

未完了過去の例文

リンク先に詳しい説明があります。

In principiō erat verbum.
はじめに言葉があった。

Stābat māter dolōrōsa.
悲しみに満ちた母がたたずんでいた。/ 母は悲しげに立っていた。

Māteriam superābat opus.
作品が素材を凌駕していた。

Hannibal erat ad portās.
ハンニバルが門のところにいた。

Hīc hasta Aenēae stābat.
ここにアエネーアースの槍が立っていた。

Ager gravidīs canēbat aristīs.
畑は稔った穂によって白くなっていた。

Excitābat fluctus in simpulō.
彼はひしゃくの中で波をかきたてていた。

Stellārum globī terrae magnitūdinem facile vincēbant.
星々の球体は地球の大きさを容易に凌駕していた。

しっかり学ぶ初級ラテン語

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

目次