「ハンニバル・エラト・アド・ポルタース」と読みます。
主語は Hannibal でローマを脅かしたカルタゴの武将の名前です。細かいことですが、Hannibal,-alis m.の単数・属格の母音aは「短い」です。
erat は sum (いる、ある)の直説法・能動態・未完了過去、3人称単数です。
ad は「~に」という場所・位置を意味する前置詞で、次に対格がきます(=対格を支配する)。
portāsは「門」を意味する第1変化名詞 porta,-ae f. の複数・対格で、ad とあわせ「門の所に」となります。
全体で「ハンニバルは門の所にいた」と訳せます。
ハンニバルは国家の危険の象徴です。
いわんとすることは「国家的危機が迫っていた」ということです。
キケローの『ピリッピカ』に見られる言葉です(Phi.1.11)。
原文では、それほどの危機が迫っていたはずはない、という意味で使われています。詳しくは翻訳をご参照ください。
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