Excitabat fluctus in simpulo. 杓子の中の嵐

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Cicero
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語彙と文法

「エクスキターバト・フルクトゥース・イン・シンプロー」と読みます。
excitābatはexcitō,-āre(かきたてる)の直説法・能動態・未完了過去、3人称単数です。
fluctūsは第4変化名詞fluctus,-ūs m.(波)の複数・対格です。
inは「<奪格>の中で」を意味する前置詞です。
simplōは第2変化名詞simplum,-ī n.(ひしゃく)の単数・奪格です。
「彼はひしゃくの中で波をかきたてていた」と訳せます。
「空騒ぎをする」という意味です。
キケローの『法律について』(3.16.36)に見られる言葉です。
岩波書店の『法律について』(岡道男訳)では「杓子の中の嵐」となっています。

もしかして「コップの中の嵐」のルーツはこれでしょうか。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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