Ignis non exstinguitur igne.

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語彙と文法

「イグニス・ノーン・エクスティングイトゥル・イグネ」と読みます。
ignis は「火」を意味する第3変化名詞ignis,-is m.の単数・主格です。
exstinguitur は「消す」を意味する第3変化動詞exstinguō,-ere の直説法・受動態・現在、3人称単数です。
extinguiturの綴りで表記される場合もありますが、同じ単語です。
igne は第3変化名詞 ignis,-is m. の単数・奪格です。「手段の奪格」ととらえます。
全体を直訳すると、「火は火によって消されない」となります。「火は火によって消えない」と訳すと自然です。
「争いは争いで解決しない」という意味で理解できます。
そのものずばり、「争いは争いを生む」(Līs lītem parit.)という格言もあります。

ignis,-is m.(火)単数複数
主格(呼格)ignisignēs
属格ignisignium
与格ignīignibus
対格ignemignīs (-ēs)
奪格ignī (-e)ignibus
第3変化名詞(i幹名詞)ignis,-is m.の変化

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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