Malum est in necessitate vivere, sed in necessitate vivere necessitas nulla est.

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Seneca
セネカ

語彙と文法

「マルム・エスト・イン・ネケッシターテ・ウィーウェレ・セド・イン・ネケッシターテ・ウィーウェレ・ネケッシタース・ヌッラ・エスト」と読みます。
malumは第1・第2変化形容詞malus,-a,-um(悪い)の中性・単数・主格です。
estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
inは「<奪格>の中で」を意味する前置詞です。
necessitāteはecessitās,-ātis f.(強制)の単数・奪格です。
vīvereはvīvō,-ere(生きる)の不定法・能動態・現在です。前半は「強制(necessitāte)の中で(in)生きることは(vīvere)悪い(Malum)」となります。
sedは「だが」を意味する接続詞です。
inは「<奪格>の中で」を意味する前置詞です。
necessitāteはnecessitās,-ātis f.(強制)の単数・奪格です(「手段の奪格」)。
vīvereはvīvō,-ere(生きる)の不定法・能動態・現在です。
necessitāsはnecessitās,-ātis f.(強制)の単数・主格です。
nullaは代名詞的形容詞nullus,-a,-um(ない)の女性・単数・主格です。英語のnoに相当する形容詞でnecessitāsにかかります。
estは不規則動詞sum,esseの直説法・現在、3人称単数です。
逐語訳は、「強制(necessitāte)の中で(in)生きることは(vīvere)悪い(Malum)。だが(sed)強制(necessitāte)の中で(in)生きることは(vīvere)いかなる(nulla)強制(necessitās)でも(est)ない(nulla)」となります。
強制は他人の指示、命令を意味します。それに従って生きなければならない必要はどこにもない、とセネカは『倫理書簡集』の中で主張しています(Sen.Ep.12)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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