語彙と文法
「フィデース・ファキト・フィデム」と読みます。
fidēs は「信頼」を意味する第5変化名詞fidēs,-ēī f.の単数・主格です。
facit は「つくる、生む」を意味する第3変化動詞B faciō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
fidem は fidēs の単数・対格で、facit の目的語です。
「信頼が信頼を生む」という意味になります。
ラテン語の語順
ラテン語の語順は自由なので、Fides fidem facit. としても同じ意味になります。主語は Fides 、fidem が目的語、facit が動詞です。いわゆるSVOの構文になっています。
同じ構文の格言として、Amor gignit amorem. (愛が愛を生む)という表現もあります。
ウェルギリウスのOmnia vincit Amor.はOVSの順に単語が並んでいます。「愛の神は(Amor)万物を(Omnia)征服する(vincit)」。この表現はAmor omnia vincit.の語順でも知られています。意味は同じですがウェルギリウスの工夫した韻律は崩れます。
格言集の紹介
表題の言葉を私は次の本で知りました。レイアウトも目に優しく、個人的に愛着ある一冊です。
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