Fides facit fidem.

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語彙と文法

「フィデース・ファキト・フィデム」と読みます。
fidēs は「信頼」を意味する第5変化名詞fidēs,-ēī f.の単数・主格です。
facit は「つくる、生む」を意味する第3変化動詞B faciō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
fidem は fidēs の単数・対格で、facit の目的語です。
信頼が信頼を生む」という意味になります。

ラテン語の語順

ラテン語の語順は自由なので、Fides fidem facit. としても同じ意味になります。主語は Fides 、fidem が目的語、facit が動詞です。いわゆるSVOの構文になっています。

同じ構文の格言として、Amor gignit amorem. (愛が愛を生む)という表現もあります。

ウェルギリウスのOmnia vincit Amor.はOVSの順に単語が並んでいます。「愛の神は(Amor)万物を(Omnia)征服する(vincit)」。この表現はAmor omnia vincit.の語順でも知られています。意味は同じですがウェルギリウスの工夫した韻律は崩れます。

格言集の紹介

表題の言葉を私は次の本で知りました。レイアウトも目に優しく、個人的に愛着ある一冊です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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