「ユークンダ・メモリア・エスト・プラエテリトールム・マロールム」と読みます。
jūcunda は「楽しい」を意味する第1・第2変化形容詞 jūcundus, -a, -um の女性・単数・主格です。
memoria は「思い出」を意味する第1変化名詞memoria,-ae f.の単数・主格で、この文の主語です。
praeteritōrum は「過ぎ去った、過去の」を意味する第1・第2変化形容詞 praeteritus, -a, -um の中性・複数・属格で malorum を修飾します。
malorum は「災い」を意味する第二変化中性名詞 malum の複数・属格で memoria にかかります。
「 過ぎ去った苦しみの思い出は快い(喜びに変わる)」という意味になります。
キケローの『善と悪の究極について』に見られる言葉です(De Finibus 2.105)。
キケロー選集〈10〉哲学III―善と悪の究極について
キケロー Marcus Tullius Cicero
<余談>
ウェルギリウスの『アエネーイス』において、主人公は部下に向かって「今の苦しみを思い出して喜べる日も訪れる」と励まします。キケローの言葉から、このシーンを思い出します。
アエネーイス (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 岡 道男
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