Paulo majora canamus.

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「パウロー・マイヨーラ・カナームス」と読みます。
paulō は「少し」を意味する副詞です。
mājōra は「より大きな」を意味する第1・第2変化形容詞 magnus,-a,-um の比較級 mājor,-usの中性・複数・対格です。
canāmus は「歌う」を意味する第3変化動詞 canō,-ere の接続法・能動態・現在、1人称複数です。
この接続法は1人称の「意思」を表します。
「私たちは少し大きなことを歌おう」と訳せます。

韻文の場合しばしば1人称複数が1人称単数の代用となることがあり、この文も文脈に照らすとその例だとわかります。「私は少し大きなことを歌おう」と訳します。

ウェルギリウスが『牧歌』第4歌の冒頭で述べた言葉です。牧歌のジャンルに関連付けて「大きなテーマ」を扱うという宣言です。その内容は、やがてローマに黄金時代が訪れるといういささか予言めいたものとなります。

牧歌/農耕詩 (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 小川 正広
4876981515

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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