ラテン語入門のエッセイ– ラテン語入門のエッセイ –
-
Finem lauda.
語彙と文法 「フィーネム・ラウダー」と読みます。fīnem は「終わり」を意味する第3変化名詞 fīnis,-is c. の単数・対格です。c.はcommon genderの略語で男性名詞、女性名詞の両性で使われます。laudā は「称える」を意味する第1変化動詞 laudō,-āre の命... -
髭は哲学者をつくらない
一見ユーモラスな表現ですが、いわんとすることは鋭いです。見かけ倒しを戒める警句です。「わたしは髭とマントを見るが哲学者は目にしない」(Videō barbam et pallium, philosophum nōn videō.)というゲッリウスの表現や、「頭巾は僧を作らず」(Cucull... -
Nemo in amore videt. 恋は盲目
表題のラテン語を文字通り訳せば「誰も恋において(ものを)見ていない」となります。「恋は盲目」は英語で Love is blind. と言いますが、ラテン語では Amor caecus est. と言います。 caecus は「盲目の、正しい判断が下せない」という意味で、たとえば ... -
旅を見守る言葉:Pax intrantibus, salus exeuntibus.
Pax intrantibus, salus exeuntibus. 訪れる者に安らぎを、去りゆく者に安全を この言葉は、ドイツのローテンブルクという街にあるシュピタール門に刻まれているラテン語として知られています。 文頭のpax は「安らぎ、平和」を、salūs は「幸せ、安全、... -
哲学とは精神を耕すこと:キケロー
Cultura animi philosophia est. 哲学とは精神を耕すこと キケローの『トゥスクルム荘対談集』2.13 に見られる言葉です。 文頭の Cultura は英語の culture の語源です。cultus は「耕す」という意味の動詞 colo からできた名詞で、「耕作、耕すこと」が原... -
Tempus est quaedam pars aeternitatis. 時間は永遠の一部である
語彙と文法 「テンプス・エスト・クゥァエダム・パルス・アエテルニターティス」と読みます。tempusは「時間」を意味する第3変化中性名詞tempusの単数・主格です。quaedamは「或る」を意味する不定形容詞quidam,quaedam,quoddamの女性・単数・主格です。pa... -
Suum cuique pulchrum est.
語彙と文法 「スウム・クィークゥェ・プルクルム・エスト」と読みます。suum は3人称の所有形容詞suus,-a,-umの中性・単数・主格で、「自分のものは」を表します。cuīque は「各々」を意味する不定代名詞 quisque,quaeque,quidque の単数・男性・与格です... -
Omnia vincit Amor. 愛はすべてに勝つ
京都イノブンの壁 語彙と文法 「オムニア・ウィンキト・アモル」と読みます。Omnia は「すべて」を意味する第3変化形容詞 omnis,-e の中性・複数・対格です。vincitの目的語です。vincitは第3変化動詞 vinco,-ere(打ち勝つ)の直説法・能動態・現在、3人... -
Multae sunt causae bibendi. 飲む理由はたくさんある
語彙と文法 読みは、「ムルタエ・スント・カウサエ・ビベンディー」。multae は「多くの」を意味する第1・第2変化形容詞multus,-a,-um の女性・複数・主格で、causae にかかります。sunt はこの文の動詞で、主語は causae です。「~がある」という意味に...