Amor magister est optimus.

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語彙と文法

「アモル・マギステル・エスト・オプティムス」と読みます。
Amorは「愛」を意味する第3変化名詞 amor,-ōris m. の単数・主格です。文の主語です。
magisterは「教師」を意味する第2変化名詞 magister,-trī m.の単数・主格です。文の補語です。
estは「である」を意味する不規則動詞 sum,esse の直説法・現在、3人称単数です。
optimus は「良い」を意味する第1・第2変化形容詞 bonus,-a,-um の最上級optimus,-a,-umの男性・単数・主格です。補語である magister (教師)にかかります。
「愛は最良の教師である」と訳せます。
小プリーニウスの言葉です(Ep.4.19.4)。

余談

optimusの位置が最後に置かれ強調されています。現代語の感覚で言うと、Amor est optimus magister.という語順であってほしいところですが、ラテン語はこの例でわかるように語順は自由です。

上の解釈ではamorを主語とみなしましたが、magisterだとどうなるでしょうか。(1)「教師は最良の愛である」とも、(2)「最良の教師は愛である」とも訳せます。ただし(1)は意味が不鮮明です。(2)は上の解説の主語と補語を入れ替えた訳になります。

ラテン語の場合、一般に「AはBである」の構文は「BはAである」と訳すことも可能です。英語などと違い、語順で主語が決まらないからです。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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