Credebas dormienti haec tibi confecturos deos?

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「クレーデーバース・ドルミエンティー・ハエク・ティビ・コンフェクトゥーロース・デオース」と読みます。
Crēdēbāsはcrēdō,-ere(信じる)の直説法・能動態・未完了過去、2人称単数です。この文は疑問文なので、「おまえは信じたのか」となります。
dormientīはdorimiō,-īre(眠る)の現在分詞、男性・単数・与格です。tibiにかかります(「属性的用法」)。
haecは指示代名詞hic,haec,hoc(これ)の中性・複数・対格で、confectūrōsの目的語です。
tibiは2人称単数の人称代名詞、与格です。「おまえのために」。
confectūrōsはconficiō,-ere(やり遂げる、完成する)の未来分詞、男性・複数・対格です。esseを補い、ここにconficiōの不定法・能動態・未来を認めます。
deōsはdeus,-ī m.(神)の複数・対格です。不定法(confectūrōs esse)の意味上の主語です(「対格不定法」)。
「おまえは神々が(deōs)これらのことを(haec)おまえのために(tibi)やり遂げるだろうことを(confectūrōs esse)信じたのか(crēdēbās)」と訳せます。
ローマの喜劇詩人テレンティウスの『兄弟』に見られる表現です(Ter.Ad.693)。
「自分は何もせず、万事うまく運ぶと思ったのか(それではいけない)」と父親が息子を励まして述べる言葉です。

Terentius

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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