Boni est viri etiam in morte nullum fallere.

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語彙と文法

「ボニー・エスト・ウィリー・エティアム・イン・モルテ・ヌッルム・ファッレレ」と読みます。
bonī は「善い、立派な」を意味する第1・第2変化型形容詞 bonus,-a,-um の単数・属格です。virīにかかります。
virī は「人」を意味する第2変化名詞 vir,virī m. の単数・属格です。この属格は、性質や属性を表す「述語的用法」です。
etiam は「~さえ」という意味を持ち、この文では in morte (死にさいしてさえ」と訳します。
inは「<奪格>において」を意味する前置詞です。
morte は「死」を意味する第3変化名詞 mors,mortis f. の単数・奪格です。
nullum は英語のnobody に対応する意味をもつ代名詞的形容詞 nullus,-a,-um(ない) の男性・単数・対格です。名詞的に用いられ、「誰をも~ない」という意味を表します。fallereの目的語です。
fallere は「欺く」を意味する第3変化動詞 fallō,-ere の不定法・能動態・現在です。
「死に際してさえ、誰をも欺かないことは善人の行うことである。」となります。

目次

言葉の解釈

立派な人は、生前の立派な生き方にふさわしい見事な最期を遂げるものだ、というふうに私は理解してます。プラトーンの描くソークラテースを思い出してもよいでしょう。

第3変化名詞mors,mortis f.(死)の変化

単数複数
主格(呼格)morsmortēs
属格mortismortium
与格mortīmortibus
対格mortemmortēs
奪格mortemortibus
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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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